第50話 順調に
徐々にではあるが、首の痛みも楽になってきて、左手のシビレが治まってきた。
でも、まだ、50%くらいは残っている感じだった。
リハビリ中も、松本さんのお蔭で、そんなに苦じゃなく、話も楽しく順調だった。
とにかく、早く治さないと、リスタートも出来ない。
焦りすぎてもダメだけど、まともに動かないんじゃ、退院しても意味がない。
心の葛藤はあるけど、ポジティブに考えようと、努力していた。
この、ゆがんだ性格も直らないもんかな・・・・・・・・
性格って、そんな簡単に変えれるものじゃないからな・・・・・・・
変えれたら、もうとっくに変わってるはずだからな・・・・・・・
ここ最近は、加藤さんの見舞いの頻度も多くなってきて、毎回差し入れで、お弁当や、夜食用にサンドイッチを作ってきてくれた。
もう、なんだか、お母さんみたいな感じだ。
母性本能がそうさせるのか??
もしかして、俺の事が好きだとか??
臆病になっている俺の心は・・・・・・友達として、と、決めつけていた。
そんな事を思っていると、今日は、仲良し3人組で見舞いに来てくれた。
「コンコン・・・・・・・・・加藤ですけど・・・・・・・・」
「はい~。どうぞ~」
「おじゃましま~す。今日は、ゆうちゃんと三月ちゃんも連れてきたよ~」
「なんだか、ごめんね・・・・・こんな俺なんかのために・・・・・・」
二月さんが、笑いながら話してくれた。
「そんな水臭い事、言わないの!!私たち友達でしょ!!そんな事より、身体の方は良くなってるの??」
「今は、順調にいってるよ~」
「そっかそっか。それじゃ~私たち3人で、ハンドパワー送るからね!!!!
そりゃ~~~~~~~・・・・・ほら、二人もやって~~~~~!!!!(笑)」
「こ・・・・・こうかな? おりゃ~~~~~~~~」
「ちがうちがう~~~。角度が大事なんだよ~~~~(笑)」
すごく楽しく、おかしく、微笑ましく。
俺の事を励ましてくれてるみんなに、うるうるっと、きてしまった。
やっぱり、二月さんは、リーダ的存在なんだろうな。
二人を上手く引っ張っている感じがした。
「それじゃ~、私と三月は帰るね~。早く元気になって、遊びにいこうね~!」
そう言って、加藤さんを残し、二月さんと吉村さんは、帰っていった。
「本当に、ゆうちゃんって、面白いよね~(笑)」
「そうだね~(笑)。でも、仲良し3人組って、すごく伝わってくるよ~」
「2年生になって、クラスがバラバラになったんだけど、昼食の女子会は毎日続いているよ~(笑)」
「最近、絵の方は大丈夫なの??見舞いに結構来てくれるからさ」
「今は、ちょっと、スランプじゃないんだけど、描きたくないって言うか・・・・・
そんな時に描いた絵なんて、絶対に上手くいかないから、描かないんだ~」
「あ~~。俺が焦って、リハビリするようなもんかな?」
「そんな感じだね(笑)」
俺のせいで描けないの? なんて聞けず、加藤さんは、紙袋から何かを取り出した。
「今日ね、クッキーを焼いてきたの~~~。横井君、甘いもの平気だよね?」
「おぉ~!今度はクッキーか~!!甘すぎなければ大丈夫だよ~」
「お菓子作りって余りしないから、自信はないけど、食べてみて!!」
「いただきます!!・・・・・・・・・・うまい!!甘さも丁度いい!!」
「本当に~~~!良かった~~~!!」
「加藤さんは、女子力の固まりだね!!旦那さんは幸せになるよ~絶対に!」
「・・・・・・・・(ポッ)・・・・・・・ありがとう~~♡」
(旦那さんて・・・・・横井君の事かな???・・・・・・・・♡)
「そう言えば、退院の日とかって、まだ分からないのかな?」
「最初は、入院2か月って言われて、もう1か月半たったけど、まだ、50%くらいはシビレと痛みが残ってるからね~。もしかしたら、伸びる可能性もあるかも」
「3人のハンドパワー送ったから、もう安心だよ~(笑)」
「そうかもね(笑)」
「それじゃ~私もそろそろ帰るね~」
「うん。ありがとう!色々と。あと、加藤さんが絵を描けるように、俺からも
ハンドパワー送るよ!」
そう言って俺は、加藤さんの右手を、両手で握った。
「えいっ!!おりゃ!!と~~う!!」
訳の分からない、おまじないをしたら、加藤さんは爆笑だった。
「横井君も、おかしい~~~~(笑)でも、ありがとね!!」
そう言って、笑いながら帰っていった。
誰かと話したり、笑ったりすると、本当に気持ちが楽になる。
一人で腐ってたら、本当に腐ってしまう。
みんなに励ましをもらい、あと一頑張りできそうだった。
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