第37話 彼女の誕生日
4月に入り、太陽の温かさが眠気を襲う。
相変わらず、忙しく、残業の日々。
そんな中でも、5日の夜は靖枝さんの部屋で誕生会を開いていた。
「やすえは、21歳になるんだっけ」
「あんまり歳の事、言わないで~~~」
「なんで?まだ21だったら、今からじゃん~」
「やっぱり、永遠の10代がいいの!私は!(笑)」
そう言いながら、キッチンでキャベツの千切りをしていた。
包丁さばきも、かなりのもので、後ろからイチャつこうとすると、切られそうなので止めた。
靖枝さんは、後ろから来てくれるのを待ってるんだろうけど・・・・怖い・・・・
今日は、めちゃくちゃ、大人ぶろうと俺は、気合が入っていた。
サプライズとまでは、いかなくても、プレゼントを渡すシチュエーションとかを、考えまくって、昨日の夜は眠れなかった。
「は~~い、出来たよ~~~食べよ食べよ~~~」
「やすえは、本当に料理が上手くなったよな~」
「あら?褒め殺し?♡」
「そんなんじゃないって。ちゃんと自炊してて偉いな~って」
「だって、給料も安いし~~!こき使われるわりには!だから切り詰めないとね」
「それは、わかる!!」
「なおきは、実家だからそんなに、お金かからないかもだけど、一人暮らしって
やっぱり、光熱費とかもかかるから、大変なのよ~~~!」
「そうか~、一人暮らしって、憧れるけど大変そうだ・・・・・・・」
日に日に、グチが多くなってる気がしてきた。
お金のことになったら、シビアになるって言うか、それだけストレス社会なんだ。
だから、靖枝さんは、明るく振る舞おうと、努力してるのかも??
晩御飯を終えて、後片付けをすまし、一段落した所で、俺はプレゼントを渡した。
「はい!やすえ!誕生日おめでとう!」
「なおき~~~♡ ありがとう~~♡ 開けていい??」
「どうぞどうぞ~」
「あ~~~~~~~可愛いネックレスだ~~~~♡」
「俺が付けてやるよ~」
正面から首筋に着けるとなると、かかなか難しい。
だが、それが俺の狙いだ。
「あれ~?付かないな~~」と言いつつ、いきなりやすえの唇に、激しいディープキスをして押し倒した。
「・・・・・・・・・・・ぁん・・・・・どうしたの、なおき、積極的♡」
俺の方からリードすることは、あまりないから、靖枝さんは少し驚いていた。
でも、なんだか、いつもの靖枝さんとは違い、受け身で積極的アピールもなく
二人の熱い夜は過ぎて行った。
「あ~~~~。また仕事か~~~~」
そうぼやきながら、俺はバイクで、靖枝さんは車で、会社の方へと向かった。
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