第31話 大切な仲間

「お~~~い。哲君と横井君~。こっちこっち~~」


土曜日の昼過ぎから、5人で遊びに出かけた。

この前とは違い、みんなと、そこそこ話せる。


「カラオケの前に、ゲーセンでも行こっか~」


こういう仕切り役は、哲がお手のもの。


なぜか、3人と2人のグループ分けさせられた。

俺は、加藤さんと2人・・・・こんな所、靖枝さんに見られないよな・・・・・・

内心、ヒヤヒヤしながら、2人で色々と回った。


「あっ!これ可愛い~~~」


「あ~~~UFOキャッチャーか~。ちょっと、俺がやってみるよ!」


「がんばれ!横井君!!」


バネが緩くて、何度か失敗したら、めちゃ、燃えてきた。


「取れるまで、絶対にやめねぇ~。熱くなってきた~!」


「横井君。そんなに熱くならなくても~」


「いいや!絶対に取る!!!おりゃ~~~!ここだ~~~~~!!」


「あっ!つかんだ~~~そのまま~そのまま~~~。(パコン)やった~~~~~取れたね~~~。はい、横井君」


「何言ってるの!それは加藤さんのでしょ!」


「えっ、いいの?・・・・・・・・結構お金使っちゃったけど・・・・・・・・」


「いいのいいの。初めてやったから、熱くなってしまったよ(笑)」


「あ・ありがとう!うわぁ~めちゃ可愛い~~!!横井君は欲しいのはないの?」


「ん~~~~~~ないかな~。ってか、バネ弱すぎだろこれ!ぼったくりだ~~!」


「そうだね~!これはちょっと弱すぎだよね!ぼったくりだ!~~(笑)」


加藤さんは、めちゃくちゃ喜んでくれた。

告白を断った?とき、どうなるかと思ったけど、いい感じの友達でいてくれる、加藤さんや、みんなが、すごく大切に思えた。


「お~~~~い、直~。そろそろカラオケいこーぜー」


一通りゲーセンで遊んだ後、カラオケに向かおうとしたとき、ゆうさんと三月さんが、俺に話があると、呼び出された。


「横井君に、謝ろうと思って。ねっ、三月」


「うん」


「誤るって何を???」


「最初のカラオケ行った時の事。私も三月も、横井君が社会人って事に、やっぱり少し引いてた所があったのは事実。だけど、しゃべっていく内に、私たちと何も変わらない、同い年なんだよね。ただ、学生か社会人かの違いだけで。

だから、偏見な見方をして、ごめんなさい・・・・ほら、三月もいいなよ」


「横井君はきっと、嫌な思いしたでしょ・・・・そんな事に気づけない、私は本当に情けないよ・・・・・本当にごめんなさい・・・・・・」


「そ・・・・そんな謝る事ないよ。やっぱり、そういうイメージ付いてる事は知ってるし、俺も、思い込みが激しいから、余計に自分で、首を絞める所もあるから。だから全然、気にしなくてもいいよ~」


「これからも、私たち、友達として、また遊びに行こうよ~。ねっ、三月」


「うんうん~~。遊び仲間として、これからもよろしくね!横井君」


「こちらこそ、よろしくね・・・・・・・ゴメン。トイレに行ってくる・・」


俺は急いで、この場を立ち去った。

なぜなら、もう、目が潤んでいたからだ・・・・・・・・・

こんな優しい言葉、言われると思ってなかった。

腐っていた自分が恥ずかしく見えた。


それから、カラオケにいったけど、みんな同い年だから、知ってる曲ばかりで、

高校生だからとか、社会人だからとか、全く関係なかった。


ただ、人前で歌うのは・・・・・・慣れてないから恥ずかしさもあった;;

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