第29話 誕生日

毎年、年が明けると、親戚たちが集まってくる。

いわゆる、お年玉があるからだ。


高校生くらいまでは、貰えるんだろうけど、俺はもう社会人。

おじさん達が「はい、お年玉」って、くれようとするけど、全部断った。

大人達から見れば、俺なんて、まだまだ子供なんだろうけど、そんな目で見られるのが、凄く嫌だった。


そんな中、いとこの哲も当然いるわけで、向こうの方から言い寄ってきた。


「直~、どう?彼女とは上手くいってる?」


「ま、まあな。哲の方こそどうだ?」


「俺の方は、最近、ケンカが多くなってきたな;;」


「もしかして、俺が絡んでたりする?加藤さんの事で・・・・・」


「いやいや、半年以上、付き合ってると、そんなもんだよ(笑)」


「そ・・・・・そっか・・・・それならいいんだが・・・・・。」


「また、みんなで遊びにも行こうぜ!ゆうと、一恵ちゃんも友達だろ!」


「そ、そうだな、考えておくよ」


学生は、冬休み中。社会人も、正月休み。

学生ほどではないが、正月休みは1週間くらいはある。


卒業以来、久しぶりの大連休だが、いざとなったら、することもなく・・・・・

何事もなく、新年の仕事始めになってしまった。



誕生日、前日。ちょっと、靖枝さんに聞きたい事があったので、会う約束をした。

いつも通り、靖枝さんが俺の家に、迎えに来てくれた。


「なおき~~どうしよっか?私の部屋に来る?それとも外食にする?」


「やすえの部屋に決まってるじゃん!」


「あら、積極的ね♡」


ササッと買い物を済ませて、部屋へと向かった。


「なおき~、明日誕生日だから、お姉さん頑張るよ~~~♡」


「やっと16歳か~。卒業してから長かった~。原付だけどバイク買ったんだ!」


「あっ!そうなの~~。やっぱりスクーター?」


「いや、スポーツタイプだけど、かなり小さい;;」


「じゃー、私を乗っけてもらおう~♡」


「残念ですけど、原付免許じゃ、後ろに乗せられないんですよ~」


「え~~~~~~そうなの~~?・・・・・・残念・・・・思いっきり後ろから抱き着きたかったのに!!!」


「でも、これで足ができるから、ある程度、遠くまでいけます!」


「あ~~~あ・・・・・一緒に風を切って走りたかったな~~~~~~~シュン」


「でも、冬は寒さで堪えますよ~」


「だから、思いっきり抱き着いて、胸で温めようとしたのに~~~~~~~~♡」


・・・・・・・・・・・それは・・・・・ぜひ経験したい・・・・・・・・


「それで、今度の休みに、免許を取りに行くんだけど、何か本ないかな?」


「あ~自動車学校の時の本ならあるかも・・・探してみるね」


「なんか、教科書的なものを、見るのは久しぶりですよ・・・・・・・・・・・」


「ガサゴソ・・・・・・・・・あったあった。じゃー、ご飯終わったら、お姉さんが教えて差し上げますよ~~~~~」


ササッっと夕飯を作り、食べ終わった後に、勉強会を開いた。


「原付免許って、一発で取れちゃうの??」


「うんうん。学科が受かったら、実施して、合格したらその日に貰えるみたい」


「簡単なのね~。自動車の場合は、かなり日数かかったよ~~」


「学科のテストが不安で・・・・・なにせ、俺・・バカだから・・・・・・・・」


「ひっかけ問題ばっかりだから、よく読んで、答えてね!」


「はい!先輩!!」


教科書の字を見るだけで、頭が痛くなった。

慣れない事をすると、疲れるのが早い!


2時間くらいはやっただろうか。やっとの事で、勉強会がおわった・・・・・・・

かと思いきや・・・・・・・・・・


「よ~~~~~~し!!今度は、私の勉強会だ~~~~~~~~~~~~~~♡」


「へ???」


そう言いながら、靖枝さんの方から、襲ってきた。


「私の教科書はないから、手取り足取り、教えて。あ・げ・る・ね♡♡♡」


今晩は、やさしく・・・・・いろいろと・・・・教えて頂きました・・・・・・



日付が変わろうとするとき、靖枝さんが、バックから何かを取り出した。


「はい♡♡ なおき。誕生日おめでとう♡」


「あ・・・・・ありがとうございます!開けていいですか!!」


箱から開けて見てみると、ハートのネックレスだった。


「ありがとうございます!!俺、ネックレスなんて一個も持ってないので、うれしいです!」


「よく見て!これ半分に分かれるんだけど、なおきがこっちで、私がこっち♡♡♡」


だんだんと、深まっていく恋心は、もう止めることはできない。

勉強会の成果もあって、無事に免許も取ることができ、幸せな毎日が続いていった。

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