第26話 心配しないで
「直~~~いるか~~」
めずらしく、哲が俺の家に、訪ねてきた。
「めずらしいな~、哲が家に来るなんて」
「あ・・・あぁ。まぁ~、その、あれだ。一恵ちゃんから、話は聞いた」
「ああ~なるほどね・・・・」
「今、付き合ってる、彼女がいるんだって?」
「うん。同じ会社の人でね」
「そ・・・・・そっか。俺はてっきり、一恵ちゃんと付き合うもんだとばっかり思ってたよ」
「加藤さんの事、好きだよ。告白もしようとした。ただ、タイミングが合わなくて。それに、俺なんかと、付き合ったら、何て言うかな・・・・ヤンキーと付き合ってると思われて、迷惑かけるんじゃないかと・・・・・」
「そんなこと、一恵ちゃんは思わないと思うぞ!」
「本当に加藤さんは、気が利くいい子だよな・・・・・・この前、加藤さんに会って、彼女の事を少しだけ話したよ。なんだか、ムリに笑ってたようにも見えた」
「一恵ちゃんはな、直の事、ずっと好・・・・・・・・俺から言うのもなんだな」
「俺の彼女、歳上なんだけどさ、似た者同士って言うか、すごい理解者だから、付き合うことにしたんだ」
「まぁ、直が決めた事だから、俺からは、何も言えないからな。それじゃ、俺帰るよ」
「ああ」
「あとさ・・・・・・・気づけなくて・・・・・ごめんな・・・・じゃぁな」
「お・・・・・・おう、またな」
こうやって、哲は帰っていったが、最後の言葉の意味が俺には分からなかった。
次の日の学校の昼食で、光武君が3人の輪の中に入ってきた。
「おい、ゆう!ちゃんと、直から聞いたぞ~」
「ほぉ~~。哲君にしては、行動が早かったのね~~~~」
「なんだと~~~~ケンカ売ってんのか~~~~ってのは、さておき、一恵ちゃん、直から少しは話、聞いたんだね」
「うんうん。どんな彼女か、気になったからね(笑)」
「え~~~~そうなの一恵~~~。で?どんな彼女だったの?」
「なんかね、同じ会社の、歳上のお姉さんみたい」
「歳上お姉さんか~~~~~。哲も、やっぱり歳上がいいと思うの?」
「なんで俺に振る・・・・・・・・まー。憧れはあるんじゃないかな~」
「あるんだ!あるんだ!哲君・・・・・・ひどい・・・・・」
「べ・・・・・別に、あるくらい、いいだろ~~~~~!」
ゆうちゃんと光武君の、言い争いが始まってしまった;;;ここはとりあえず逃げておこう。
三月ちゃんと共に、その場から少し離れた。
「三月ちゃんは彼氏さんと、どう?上手くいってる?」
「それはもう、順調そのものだよ~~~。合わなかったら別れるつもりだったけど、お互いに、知れば知るほど、好きになっていくよ~~。一恵ちゃんには悪いけど;」
「別に、大丈夫だよ(笑)」
「でも、歳上のお姉さんか~~~~強敵だな~~~」
「そんなに考えても、あれだし、今は友達だから、先の事はわかんないよ(笑)」
私の事で、みんなが、心配してくれている。
だからこそ、笑って、心配かけないように、しないといけない。
人を好きになるって、こんなに息苦しく、切ないものなんだな・・・・・・・・・上手くいけば、これが、うれしさや喜びになるんだろうな・・・・・・・・・・・
少しは、私も成長したのかな?っと思い始めた。
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