第7話

 極東の戦いが膠着状態となり次なる戦いの舞台はアフリカの大地であった。

アフリカ大陸では南アフリカ自治政府は侵攻軍によってポートエリザベス、ケープタウンなど主要部を失陥し南アフリカ政府はイギリスに亡命政府を設立させ徹底抗戦の構えをみせた。しかし南アフリカが失陥した事により海上貿易に頼るイギリスは南アメリカイギリス間輸送航路に敵通商破壊艦隊が出現し戦略物資を満載した輸送船が次々と撃沈させていた。イギリス及びアメリカは大規模な艦隊整備計画が策定させ現状はアメリカ大西洋艦隊から対潜、及び対水上戦能力の高い艦艇を抽出し護衛艦隊を臨時編成するものであった。

編成は軽空母3隻、巡洋艦8隻、駆逐艦60隻である。


イギリスは本国大洋艦隊から3個駆逐戦隊及び駆逐艦より小型な海防艦40隻により護送艦隊を編成し通商路確保に動き始めた。

アフリカ大陸ではフランス、イギリス、ベルギー軍は苦戦を強いられておりジリジリと前線は後退していた。前線は東はモガディシュ、西はポアントノアールであった。


イギリス領マダガスカル島

マダガスカル島にはイギリス軍3個歩兵師団及び1個飛行隊が駐留していた。

マジュンガ軍港にはイギリス哨戒艦隊海防艦10隻停泊していた。

 マダガスカル島はアフリカ戦線のイギリス前線基地であり敵航空機による襲撃が活発化していた。その為イギリス戦略航空軍8個飛行隊及び重戦闘機4個飛行隊が派遣され野戦レーダー装備が持ち込まれ制空権取り合いが行っていた。


ムルンダバ基地

ランカスター重爆撃機100機及びモスキート戦闘爆撃機30機が滑走路に並びエンジンを轟かせていた。


南部アフリカ方面軍空軍総司令部アンタナナリボ

南部アフリカ方面軍空軍司令官はアーサーハリスである。

アーサーハリスによる侵攻軍戦略爆撃作戦ジャジメント作戦が立案された。

この作戦は南部アフリカ方面における敵補給路の破壊及び物資生産施設の破壊にある。


戦爆連合約130機は10機で1つの悌団を形成し戦略目標に向かった。


第1悌団から第5悌団はインフラの破壊に第6から第8航空基地空爆に第9から第13は工場の爆撃に向かった。


第1悌団


「隊長機から全機へ。進路高度そのまま。」


「爆撃地点まであと30分」


「爆撃まで1分前!」


「爆弾倉開け!」


「進路速力そのまま!」


「5時方向敵機!」


「銃座射撃開始!敵を近ずけるな!」


「爆弾投下まで30秒前!」


爆撃機から機銃が射撃を開始した。


「3番機被弾!」


「2番3番発動機停止!」


被弾機は高度が下がり始めた。


「3番機墜落!」


「爆弾投下!」


「投下終了次第現空域を離脱する!」


「進路170°」


「5番機被弾!」


5番機は根元から左翼がもげ墜落した。


「戦闘爆撃機隊は爆弾を投下次第迎撃にあたれ!」


他の悌団も同様の被害を受けていた。


ムルンダバ基地


「攻撃隊帰ってきました。」


攻撃隊130機の内墜落35機、廃棄処分25機であった。


イギリスはシンガポールの遣極東艦隊35隻をマダガスカルまで呼び戻した。


アフリカでの戦闘は熾烈を極めていた。







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