3話

 アメリカ艦隊は上陸地点に0300に到着した。


「0700上陸作戦が開始される。」


「各艦砲撃開始。」


ワイオミングを始めとする戦艦が砲塔を旋回させ砲撃を開始する。


辺りが暗い中艦砲の発射光が眩しく輝く。


ワイオミング級戦艦の12インチ砲が火を噴き約1トンの砲弾が地面を耕す。


「副砲も射撃開始!」


「副砲斉射用意!」


「撃て!」


片舷12門の5インチ砲が火を噴く。


海岸に築かれていた鉄条網や塹壕などを噴き飛ばしていく。

時々陸岸から反撃があったが近くに着弾するだけで艦艇への被害はなかった。


「精密射撃に移行する。」


「照明弾装填!」


照明弾が装填され射撃の為仰角をとる。


「最大仰角45度」


「射撃準備完了!」


「撃て!」


照明弾が発射され辺り一面が照らされる。


「砲座視認!」


「榴弾装填!」


「装填完了!」


「撃て!」


12インチ4門が火を噴き砲座に直撃した。


その後弾薬に誘爆したのか大爆発を起こした。



「上陸部隊の艦隊到着1次官前に準備砲撃を開始する。」


「それまで砲弾の残り残数を艦橋に報告せよ!」


アメリカ輸送船団

「あと4時間で上陸地点海域に到着します。」


「今の所敵から襲撃は無しか。」


「第6艦隊が哨戒機を飛ばして接敵もないですし。レーダーにも聴音機にも反応がないので心配のし過ぎですよ。」


「それならいいのだが...」


突然右で航行していた輸送船が爆発した。


輸送船が大揺れを起こした。


「何事だ!」


「敵の襲撃です!」


右をみると火災炎上中の輸送艦が右に傾いている。


「まずいあの船は弾薬を満載してるんだぞ。」


輸送船は積んでいた弾薬に引火し大爆発を起こし爆沈した。


「対潜戦闘用意!」


「サーチライト点灯!」


「敵を発見しろ!」


「右30度6000に航跡視認!雷跡4!」


「取り舵一杯!最大船速!」


輸送船団は回避運動を開始するが速度の遅い輸送船は回頭を開始したところで魚雷が命中し3隻の輸送船が撃沈される。


「照明弾を打ち上げろ!」


護衛の駆逐艦により照明弾が打ち上げられ敵潜水艦を発見する。


「敵潜水艦発見!数3隻!主砲撃ち方始め!」


輸送船団の外側にいた5隻の駆逐艦の5インチ砲が発射される。


「動員できる全ての火砲を集中しろ!」


主砲を始め対空砲も水平射撃を開始し潜水艦の周りに着弾する。


「潜水艦急速潜航開始!」


「対潜戦闘!爆雷投射用意!」


「面舵一杯!」


「爆雷投射!」


各艦2発ずつ爆雷投射され着水し爆雷は設定された水深40メートル爆発する。


「連続投射用意!4発連続投射!」


「投射!」


発射された爆雷は1秒ごとに爆発する。


「浮遊物視認できず!」


「被害報告!急げ!」


「被害報告!弾薬輸送船4隻、タンカー2隻、上陸輸送船2隻、駆逐艦3隻撃沈、以上です。」


「駆逐艦3隻を人員救助にあたらせ輸送船団はそのまま直進する。」


輸送船は夜の闇を進み輸送船団は上陸地点へと舵をきる。

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