第21話 番外エピソード かこばなし -くるいぎつね-より


タイトル「狂い狐」 狐と猫又の過去ばなし



チュートリアルのクライマックス、ドラゴン退治後に町へはいり、宿を取ってからのセッション中の会話。



「人を斬る感触ひさしぶりだったね(苦笑)」狐が猫又へ、そう話しかける。


「そう?あたしはときどきあるよ(笑)」にこやかな顔の猫又。


「猫又ちゃん、まだ荒事に関わっているの?

「気をつけてね、副業」思案顔の狐。

副業ってあやかし探偵のことか?


「猫ちゃんときーちゃん。聞いたことなかったんですけど、昔から知り合いでしたっけ?ふたりとも」


「初めては明治だっけ?まだ江戸時代?」狐のつぶやき。


「(稲荷ちゃんと)遭ったのは多分その頃だけど、

あたしは稲荷ちゃんのこと、(それより昔に)何回か見たことあるよ。

「三河さまのころ、稲荷ちゃんが神使成り立ての頃のはなし(笑)」にやにや笑いながら、言葉を続ける。


「野盗殺しの狂い狐が神に仕えたってうわさ、

あの頃、あたしの知り合いのあやかしや、その筋の人間たちの間で、けっこう話題に上ってた(笑)」


「あ〜、あれはね(苦笑)

わたしが身を寄せていた集落辺りに、落ち武者崩れの野盗の一団が現れてね。

わたしもあの頃は若かったし、考えなしだったから、幻術でちょっとね(苦笑)」


「狂い死にさせたと(笑)」


「させたのは頭領含めた数人だけ。あとは眠らせただけなんだけど…。

それを始末した集落の人がね〜、ほんとうにあることないことね(ため息)

「結局、わたしわ集落から逃げ出したの。集落と自分たちを助けるためにやったのに、わたしだけ外された。

だからね、八つ当たり(苦笑)

野盗の集団見つけると、気を引いて山奥で迷わせて狂い死にさせたり、熊や狼のエサにしたり(笑)

「集落の人とはそれっきり。野盗みたいに八つ当たりする気にはならなかった。一時期世話になった人も居たから。でも、二度と顔は見たくなかったな」


「わかるわかる(笑)

あいつら、こちらが強い、手に負えないって判ると、

途端に薄気味悪いって言い出して、悪いことはこちらになすりつけて追い出したり、殺そうとしたり(笑)

「いつものことだよ。

当たり前に毎回見てきたこと(苦笑)

あたりまえ過ぎて回数忘れたよ(笑)」



「そういえば、

戦国のころだったかな?その頃にも稲荷ちゃんとはすれ違っているんだよ(笑)」


「へぇ〜(笑)

けっこう古い知り合いだったんだね」


「いいですね。

古い知り合いがいて。

わたしは古い記憶、ないんです。

うらやましいです〜」


「座敷ちゃんはね〜。

あたしたち獣由来の低級あやかしと違って、

人間さまの霊魂さまがあやかしになっていらっしゃいますから(笑)

やっぱ違うよね(笑)

けだものふぜいとは(苦笑)」


「もぅ!!

猫ちゃん、泣きますよ」


「ごめんごめん、

なんか今日は飲みたい気分(笑)

「稲荷ちゃん、座敷ちゃん、今日は飲もっか?

ここで女子会やって(笑)」

なにぃ!?


「というわけだから、○○、今日はかずみちゃんとこに泊まって♪

それとも女子会混ざる?名誉女子として(爆笑)お化粧したげる♪」


まったく(ため息)

彼女らだけで楽しんでもらうほうがいいかな?

話はけっこう気になるけど。

さて、どうするかな?



 ーおまけー



「なあ、なんで俺は誘ってくれないんだ?」エルフ女子のカッコした高校男子からの素朴そぼくな質問。


「やーよ。かずまくん酔って口説きそう(笑)」とアブラゲ

「うんうん、目がいやらしい(笑)」猫又まいどのツッコミ

「かずま、きらわれてます(笑)」座敷ミューわらしに笑われ


かずま、ちょっと気の毒すぎる(汗)


「最悪だわ〜。なんで○○はいいの〜?」


かずまのツッコミに狐、

「だって○○くんわ、口説かないよね?」


「うん」家族、口説く趣味無い。



「「「「…はぁ〜っ」」」」一拍おいて、シンクロしたため息を皆につかれる。


あれぇ!?




-カクヨム版あとがき、解説-

えー、

このおはなしは、前話のチュートリアル、ドラゴン戦よりも前に書かれたお話ですので、ドラゴンを退治した展開という結果に基づいて書かれていますね(苦笑)

まあ、パラレル展開ということで(^_^;)


----


さて、

このシーンは稲荷狐の過去のプロフィールを考えている最中に生まれたお話です。


狐にせよ猫又にせよ、彼女らがなんとなく呟くような言葉や気持ちが頭のなかに浮かんだときに、それを拾い上げながら解読して設定を作り上げている感覚なので、

対話できるキャラとして、ある程度育つまではプロフィールは白紙のような状態でお話を進めていたのですね(苦笑)


もともと彼ら、彼女らは、自分の書く物語、TRPGセッションを行うセッション仲間という役割でスタートしたキャラクターであり、物語の中で行う劇中劇、時にファンタジー、時にSF、ホラーというように、TRPGの種類によって変わる登場人物の「中の人」というスタンスで出てくる、スターシステムのような使い方をするやり方、その試行結果としてのキャラクターです。


ですから確認や練習のために、いろいろことを試したりやらせたりしてみました。

カクヨムで公開した拙作、『きつねのきょん』の解説役やキャラクターによる『感想文』辺りはそれですね。

転載しなかった、質問状にキャラとして回答させてみたり、キャラ同士で対談、自らのプロフィールを披露させてみたり、作者みなはらとの対談をさせたり。

TRPGセッションで、出来る限りの自由度をキャラクターが演じられるように、

だいぶ荒唐無稽なことをやったり試したりしました。


もしかしたら、自分の行った取材場所をモチーフにした紀行文、美術館や博物館巡りを舞台として使って書いている、キャラたちに同じ場所へと出かけさせたりしたエピソードの紀行文もその一環かも知れませんね(苦笑)



以前になろうでも書いたことがありましたが、自分はキャラクターには意思があり、生きていると思う、生きていると信じているひとなので(笑)、

まあ、それに沿ったことをいろんな形で楽しみつつ試しつつ、いっしょに遊んでいる感覚です(*´∀`)♪


TRPGは砂場でやったごっこ遊びですよね。このお話の根っこはそのあたりが始まりなのでしょう。

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