第26話 襲撃の解決
「行くぞ!」
声を上げて体育館の中に戻る。
近くにいた男達は魔法で眠らせ、すぐに端の方に投げ飛ばす。―――普通にこんなことできるんだから凄いよな。
「今度は、なんだ!?」
近くにいるジャック犯たちを次々と眠らせていく。時には魔法を使い、時には殴って気絶させる。
「
何かを喋ろうとしたリーゼント
体育館が開ける。目の前にはリーゼント魚。その後ろにはスクールジャック犯。
俺はコツコツと靴を鳴らしながら歩を進める。
「――誰彼構わず恐怖させ」
ゆっくりと歩みを進める。
「――他者の迷惑を考えず」
何故か青い顔をするジャック犯。
「――そんな人間は.......」
カッ!と軍靴を鳴らし、仁王立ちする。
「地獄に落ちて悔いて詫びろ!」
ビッと人差し指で魚諸とも差す。
「魚.......魚!?」
「う、うるせぇ!」
魚は「え、俺も!?」みたいな感じだが、ジャック犯は反対に錯乱して、俺に銃を向けて乱発してきた。.......魚も巻き込んで。
「魚ぉぉぉおおお!?!?!?」
「オラアアァァァ!!!」
魚が弾に当たってとても痛そうにしている。端から見たら踊ってるようにしか見えないけど......。でも、ダメージは受けてないようで、鱗に跳ね返されている。
俺はと言うと、ジャック犯がハンドガンで撃ち、魚の鱗に跳弾した弾が生徒たちに飛ばないように落としていっている。――弾丸って案外遅いよな。
「なッ!?」
銃が効いていないとは思わなかったのか、無傷の俺と魚に驚愕するジャック犯。思わずハンドガンを落とした。
「大人しくくたばってろ!
俺の伸ばした手から、薄黄色の波動が放出され、ジャック犯の元へと向かっていく。ついでに魚にも。
「な!あ、ガ!」
逃げ惑う、ジャック犯の頭を痺れさせ、戦闘能力を奪う。魚の方はと見ると、見事に避けていた。
男の襟首を掴み、ジャック犯たちの元へぶん投げる。
「「「うわぁ!」」」
三人まとめて気絶させることができた。ジャック犯の戦意を持っていた奴らは先の四人だけだったようで、一気に仕事が片付いた感じがして清々しい。
「魚ぉ.....」
「お前酷なことやるなぁ」と言う目線を魚に向けられるが、人様に迷惑をかける奴なぞ知らん。と言うかお前も一緒だ!
「―――で、何のために来たの?」
今更ながらに魚の目的を聞き出す。
「魚!?......え、えっと」
「え?今それ聞く!?」みたいな反応をされた。突然すぎて言葉に詰まったようで、必死に頭をひねって考えている。
「.......そうだ魚!」
それから数分たってやっと思い出したようで、手をポンッと叩いた。―――大丈夫かこいつ。
「我々〈
.......第一陣って。いままで一体ずつしか来なかったのに......。まさか?
「もしかして、お前以外にも来ているやつがいるのか!?」
そうだったらこうしちゃいられない。すぐにコイツを片付けて―――。
「魚?なんの話魚?私一人しか来てない魚!というか来れない魚!」
「え?来れ、ない?」
リーゼント魚の言葉に疑問符が浮かぶ。
「そうだ魚!地球に降りるには転送装置がいる魚!でも一台しかない魚!」
「?それだったら順番に降りてきたら良いんじゃないか?」
「―――――」
「........?」
「......その発送は無かった魚。お前天才魚」
「.......」
コイツら馬鹿なの?
一瞬、そんな風に停止してしまったが、すぐに思い直す。敵に塩を送る真似をしてしまった。リーゼント魚が情報を送る前に止めなければ。
「【
すぐさま魔力を練り上げ、火属性に変化させる。そして掌から放った。
丸く小さな赤い玉は真っ直ぐにリーゼント魚の元へと向かい、着弾した。その直後、花が咲いたように炎が四方八方に飛び、リーゼント魚を焼いた。
「魚ぉぉぉおおおッ!?!?!?」
見たところ、熱がってはいるがダメージを蓄積した様子はない。鱗が少し焦げたぐらいだ。
ならばと、魔力を練り風属性に変化させる。見るからに水属性は回復効果、または攻撃力低減効果があるからね。
「【斬り風】!」
またまた掌を突きだし、幾つもの風の刃を飛ばす。しかし、鱗すら傷つけることは無かった。
「魚ぉお!?今度は風!?」
......攻撃自体に驚いているけど。
次は、と雷属性に変化させる。こちらは断然効きそうではあるけど.....。
「【
俺の掌から雷が迸り、一瞬でリーゼント魚を焼いた。遅れて大きな音が体育館を震わせる。
リーゼント魚は黒焦げになり、ドスンッ!と音を立てて倒れ、光の粒となって天に昇っていった。
やっと終わった.......。
周りを見回してみると、全員が全員耳を塞いで地に伏せていた。
うん。今の内に―――。
その後、警察が到着。ジャック犯は無事にお縄についた。
俺たちは軽い事情聴取の後、すぐに帰ることとなった。授業なんてしてる暇ないもんね。
だが、俺は家に帰っても心の不安は取れなかった。それは、リーゼント魚が言っていた『本格的な地球侵攻』。これがどうしても頭から離れない。今日は第一陣。なら明日も来るのではないだろうか。―――俺たちも、本格的に動く時期なのかも知れない。
あ、因みに何で夜に活動しないのか聞いてみたところ、眠いからだそうだ。なんで律儀に答えるんだろうね。そして自分の欲に忠実だ......。なんでこんな奴らが侵攻なんてしてるんだろうとつくづく疑問に思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます