第9話 俺、高校生になります。
それから1年経ち。
俺は今、受験生です。と言っても春だからそこまで焦らんでも良くね? って思ってるけど。
この一年で世界は変わった。いや、もう驚くほど変わった。マジで。
曰く、魔法少女が多く出現した。
曰く、可愛いから雑誌でも作ろう!
曰く、一杯いるから教えるための学校作っちゃえば?
曰く、海外にも魔法少女見つけたよ!
曰く、軍に魔法少女のみの部隊作っちゃおう!
曰く、戦争になると嫌だから条約締結しよう!
曰く、魔法少女って女の子だけだよね?女の子パネェ!これからは女の子リスペクトしよう!
曰く、ヒャッホウ! 女尊男卑の世界だぜ!
と言うことらしい。いや、皆に分かりやすいように俺の解釈で言ってるんだけど。
まぁ、つまりは。魔法少女が一杯出てきてそのお陰でアイツらの侵攻も徐々に無くなって来とるし、そのお礼として雑誌で特集に出したら、誰かが専用特集作れば? って言って雑誌が出来たらしい。ついでにこれからも魔法少女見つかるかもだから学園建ててそこで教えとけば被害もっと減るんじゃね? ってことで去年凄い早さで建った。もうヤベェ。マジでヤベェ。(語彙力低)
因みに、雑誌の特集で春と秋にランキング投票とかができてた。俺は見てないが。母が読んでた。後、名前が月刊「魔法少女」。まんまじゃねえか!
そして、奴等の名前が
―――俺は誰に向けて話してたんだ?
◇◇◇
「フフフ。私は分かってるわ――――」
◇◇◇
「うーん。どうしよっかなー」
俺の友人の
友久は所謂爽やかイケメンと言うやつで、やんわりとしたイケメンである。もう一度言う。イケメンである。こいつはその行動を持ってして女を引っ掛けているのである。しかも無自覚。
……なぁ、この世界の顔面偏差値高過ぎない?
「何が?」
今は学校からの帰り道。閑静な住宅街をゆっくりと歩いている。俺がそう聞くと、友久は言った。
「あれだよ、進路」
「あ~」
友久が言った途端、俺は納得の声を出した。
「で、優希。君は何処行にくの?」
友久が肘でつついてきたので、軽くかわしながら言う。
「俺? 俺はあそこ。私立
「え? そうなの? じゃあ、俺もそこにしよっかな」
俺の言葉に一瞬驚いたがすぐに俺と同じ進路をとった。
「え? 良いのか? 俺と同じで」
因みに、私立東間高校とは近所の進学校で割と有名な所だ。オープンハイは楽しかった。後、中高一貫校だ。
「良いよ別に。俺は優希と一緒にいられたら」
嬉しいことを言ってくれる。俺は少し気分が良くなり、笑みを形作った。
「おう! ありがとう!」
「フフ。良いさ別に。礼を言われることじゃない。それよりも、魔法少女学園が・・・・・」
こうやって俺達の日常は過ぎていく。
◇◇◇
あれから滅茶苦茶月日が流れたが、特に特筆すべきものは無かった。強いて有るとすれば、何故か幾人かの女子が魔法少女学園を志望したことぐらいか。何で?
魔法少女って中身男だろ? なのに何で男子校のような場所に女子が行くんだろ? まぁ関係ないからいっか。因みに、俺のもう一人の友人も魔法少女学園を志望した。(特筆すべきもの)だから何で?
春。桜舞散る道で、多くの新入生が騒いでいる。
「おはよう。優希」
背中に何時も聞いていた声がかかる。
「おう。おはよう。友久」
俺は振り返って、同じ高校へ進学した友人に挨拶した。
俺たちは無事、東間中学に合格した。現在は入学式の前である。クラスは友久と同じA組だった。
「そうそう。うちの親がさ、入学祝いしようって言ってんだけど。大丈夫か?」
「ん? ああ。大丈夫だよ。親にも言っとく」
因みに、俺の親は普段家にはいない。しかし、クリスマスやらお正月やらお盆やら他にも俺に関する重要なこと等には必ず出張ってくる。
ここで分かった人がいると思う。先程の文の後半部分。
――俺に関する重要なこと等には必ず出張ってくるのだ。
おわかりいただけだろうか?そう、つまりうちの親は――、
――超がつくほどの親バカなのである。
え? じゃあ普段から家に居ろよって? まぁ……養うためだし……生きていくためには必要なことだから……。
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