携帯電話

いまや携帯電話はほとんどの人が所持している。小学生も首に掛けているくらいだ。まるでファション感覚な感じであり、携帯持ってないのが不思議がられる。そんな僕は携帯を持ってまだ一年程である。(当時)平成十五年の夏に購入した。

それまで持ってないため、僕の居場所がわからないことや、『えーっ、はまじ携帯もってないの?』など女性に言われたりもした。仕事先でも『浜崎君は携帯ないから連絡取り用がないよ』など、やたらと窮地にたたされる。いかにも法律で携帯電話を全員持てと決まっているのかと思うくらいだった。携帯がないと世間から仲間外れにもされている感じだ。僕が携帯を持っていない時はこのように思った。

ではなぜ携帯を持ったかは、『はまじと九人のクラスメイト』(徳間書店)の本造りのため、編集者と連絡し合うことからだ。一冊目『僕、はまじ』の時は携帯を持ってないため、大変編集者を困らせた。家の黒電話で連絡を取っていた。二冊目も出すなら編集者に連絡で迷惑を掛けたくない。そのため、携帯電話を買った。

長々携帯を持たなかったため、持ったら友人等に冷やかされた。『おー、とうとう持ったじゃん』や『よく持つ気になったな!』などである。

だが、この携帯電話はプリペイド式だ。携帯を持つに一番お金が掛からないのを考え買った。それもコンビニでの購入だ。機種が七千円でプリペイドカードが三千円、全部で一万円。なんと今の時代一万円で電話機を買える。それだけ通信業界はだいぶ普及していると判断した。

携帯電話を持った日はやはり嬉しい。折り畳み携帯ではなく、少々古いストレートタイプでカメラ機能も付いている。

早速、電池を付け充電する。充電中に二冊ある分厚い説明本を読んでいた。充電が終わり携帯をいじり出す。数時間いじるとカメラやメールのやり方を理解した。まず友人知人の電話番号を面倒だったが登録した。待ち受け画面にするため、写真集からモー娘。の加護亜衣をカメラに何枚か撮り待ち受けにした。そしてプリペイドカードを登録した。

このプリペイド携帯で相手へ掛ける場合一分六十円。メールが送信五円で受信が短いメールは無料。ロングメール送受信十五円で、カメラの画像送受信も十五円である。ロングメールと画像を一緒に送れば得なわけだった。

僕は自分からあまり掛けないようにして、メール使用を主と決めた。しかしメールはやったことがない。まず送信出来るか妹へ送ってみた。家庭内だが一応着いたので成功だ。

僕の携帯の番号を早速、編集者へ教えた。そして友人知人にメールで知らせ、秋田県の文通女性にも伝えた。文通はなぜしてるかと言うと、本を出した時、二度も同じ人から手紙が来た。僕とどうも文通したいようで始めた。年上の秋田女性は、僕が携帯を買ったことに驚いていた。

日々の経過でメールへ絵文字を付けたりと徐々にマスターしている。メル友も増え、Eメールアドレスも持ち、他の携帯やパソコンともメールをする。顔文字を見たとき、自分も記号で作ったりした。それはとても大変でやめた。後々聞けば文字変換で出来るらしい。

面倒なのはやる気がない。

その後メールや電話機にもなれ必需品となりだす。持ってない時が信じられない気持ちになった。毎日朝から数回メールする人もいる。代表的には花屋の徳ちゃんこと徳三だ。本造りのため彼を取材してからメル友になった。

徳ちゃんとメールをすると、彼は家庭内のいろんなことをさらけ出し、僕はまるで悩み相談員みたくなった。でも彼からすると、メールであるがはけ口があるため助かるようだ。

メールで人の役に立つとは不思議だった。

メールで長文を打つとはくたびれる。ワープロならポジションを覚えれば苦ではないが、携帯メールは何回も同じキーを押すので、指の感覚がマヒする感じだった。小型だから文句は言えないが。

最近ではメールのやり過ぎで三千円分のプリペイドが半月で使ってしまう。しかも危ないが車の運転中にも打っている。暇つぶしにはなるが、これではメール中毒だ。今に事故をしてしまいそうだ。絶対運転中は避けなければならない。

友人の西やんはプリペイド式携帯をバカにする。特に電話機がストレートタイプという点を大いにバカにする。『今時ストレートはないぞ、いかにもプリペイドがバレバレだな』と。初め僕が携帯持った事を喜んだが、プリペイドと聞いたら、早速バカにして来た。

持って一年はたつが、いまだバカにする。元々そんな友人だから僕も平気だ。プリペイド式を使ってる以上、彼から言われ続けるだろう。

友人タカオもプリペイド式携帯だ。僕より何年も前から使っている先輩だ。だがタカオはメールをやらないし、自分から電話を掛けない。それと電話を掛けてもいつも留守電になっている。これでは持ってる意味がない。なんのため買ったのか謎だった。

最近、知人らは携帯電話を二台も持っている。使い分けていると思うが二台もあると邪魔になりそうだ。僕は二台もいらない。携帯電話を持ってみて、用件をメールや写真で全国どこでも送れるのはとても便利だ。だが反面、迷惑メールも多量に送られて来るのが痛いところだ。知らない女性名で来るので確実にエロメールとわかる。

いい加減にしろといいたい。今はカメラ携帯が主流だから、男女は自分のヌードをメールで交換しているのかもしれない。なんて羨ましい世の中だ。



 その後、PHSのウイルコムと契約した。なぜなら端末機とパソコンをUSBケーブルでつなげればインターネットの世界に入れることを知ったからだ。だんとつキャリアのみだったので、このウイルコムを知らない人が多かった。ちなみにウイルコムの以前の名前はDDIポケット。ポケベルやPHSの人はこっちの名を知るのではないか。

 当時の端末機は無料となり通販で購入。分厚い説明書やコールセンターに教えてもらい、パソコンでネットへつながる環境が整った。

 その後、エロ画像はもちろんのこと、わからないことへの検索とネット世界へ入っていく。いまから考えると速度が遅く、常に一二八キロバイトだった。動画のダウンロードはなかなかされず、エロ動画は少し見ては終わった。

 毎月の携帯代は七千から八千だ。その当時にしては、いまでいうテザリングも出来て安いはずだ。なぜなら友人は一万を余裕で超えていたからだ。当時も相当な理由がない限り、自分からほぼ掛けなくメールで伝えていた。

 スマートホンがとても流行っていても、ウイルコムの契約をしている。友人タカオはエロ動画のエックスビデオは無料で見られるといった。それを何度も聞くと欲望が湧く。動画の速度は遅く、まったくオゼー携帯だ。というか、ADSLやひかり通信のインターネット契約すればいいのにしない。

 ウイルコムもスマホ機種を出し始めても、更新月にはならなくガラケーのままだった。

 だんだん世間はスマホ主流で、ウイルコムガラケーで検索等を見るのが恥ずかしくなった。

 そしてやっと更新月に近づいたころ、イーモバイルで機種つき四千五百円という契約情報を入手。これはいいとなり、機種が出た日にヤマダ電機へ向かった。

 契約をすると残りはウイルコムの解約を待つだけ。そしてウイルコムを解約してイーモバイルで初スマホとなった。

 テザリングも出来てネット速度は五ギガバイトまで使え、いらつかずにエックスビデオの観賞をした。ということは、あそこもいらいらとしなかった。でも五ギガバイトを終えると速度は一気にウイルコム状態になる。

 それで月初めは動画を、残りは検索のみだった。

 そしてウイルコムとイーモバイルが合体することとなった。使って二年たち、次回の契約は値上がることになった。そのころシムフリーが流行り出していた。シムフリーという言葉から検索で調べ上げると、シム会社とシムフリー携帯を買えばいいこととなる。そして毎月の請求はいままでより安いところを見つけた。それはぷららモバイルだ。使用料は毎月三千八百円そこそこ。

それからというもの、中古端末を通販で仕入れ、ぷららモバイルと契約に至った。

そこは通信速度無制限。速度は二ギガから三ギガと低いが無制限がいいだろう。それに口座振替もこの一社だけだったのも理由だ。当然だが通話はそれほどしない。動画は遅いときもあるけれど、ほぼ見ることが出来る。通話だが、半額のアプリを見つけ仕入れたので緊急用だ。

そのぷららモバイルだが、今年の二〇一七年十一月三十日をもって撤退となった。

僕は仕方なく、条件のいいところを探していた。だが通信無制限はあるが、クレジットカードが主。そんな調べていた中、楽天モバイルの口座引き落としを発見。なぜだろうと。楽天といえば「楽天カード」というクレカを売りにしている。そんな会社が口座振替とは、少し驚いた。見つけたのが五月下旬だった。どうするか。今月中に辞め、さらに安い楽天に行くべきか。迷ったが、ぷららを五月いっぱいで解約し、六月一日に楽天店舗へ向かった。ぷららは二年四ヶ月の契約だった。なぜ楽天へ決めたかは、口座振替、毎月のプラン変更可能、コールセンター無料、速度の切り替え可能とこんなところだろう。とりあえず様子見で通話シムの三ギガに契約した。千七百二十八円と安い。でも速度が少し速いだけなので、正直いえば前回のぷららがよかった。いまのところ楽天モバイルを低速の二百キロバイトへ切り替えて使っている。まるでウイルコム時代へ戻った感じだ。ただエロのときは微妙に高速へと切り替えていた。こんなちまちましたことを五十になってもしている。やっぱ僕はバカだった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る