恋バナ

 二〇一九年で五十三歳の僕が初めて女性を好きになったのは小学一年の時である。その子はクラス一番の美人でかわいい子だった。だが、告白など小一の僕には出来ず、ただ観察してるだけ。彼女の下敷きが当時のアイドルグループのフィンガーファイブだった。すると僕もフィンガーファイブをテレビで見ていた。そして彼女の興味あるのを探ったりしていた。

たまに話しをすると緊張をする。あまりの美人にまるで芸能人と会話しているようだった。結局、二年間同じクラスだったが、何も告白せずに小学三年に進級した。クラスも変わり少し傷心していた。

ちなみに僕の小三は恋がない年だ。理由は水泳が嫌いで登校拒否になり、学校に行かなくなったからだ。

小四になり学校に行き出した。クラスに馴染みだした頃、僕の家に小四から転入してきた女子がよく遊びに来た。名はIだ。足が速く体育は得意だが勉強は苦手な子だった。家は僕の家から近いので遊びに来たのかと思った。転校生なのに積極的だ。女子から男子の家に遊びに来たのだから。

僕は何回か遊んでいたらなんとIを好きになってしまった。ちょっと美人であるのも理由だ。それが二回目の恋になる。

Iはよく家に遊びに来たので、僕のことが好きなのかと意識しだす。だけどIは僕に『私ウエチンが好きだけど、のりたは誰が好き?』といきなり先制攻撃された。僕の心は『えーっ?』だった。でも同様を隠し透かさず僕は違う女の名を言ってしまった。『俺は福子が好きだ』と。Iは驚いたが嫉妬の顔ではないのが小四の僕でもわかる。本当は不満な自分。嘘を述べて、本当のことを告白出来なかった。家に帰ったとき何かダメだなーと感じてた。

その後もIが遊びに来てくれた。彼女はいつも明るい女性だった。その変わりのなさにいつも好意を抱く。Iに好きと言いたい。そのことが度々募った。

ある日、逆にIの家に遊びに行った。僕と同じ借家だった。だがIは元気がない。どうも家に来られたのが嫌な感じだった。Iはおばあちゃんと二人でいる。父はいなく、母は働いているらしい。渋々家に上げてくれて、ゲームを二人でやった。だんだんIに笑顔が出た。やっといつもの顔になった。アイスを買いに行こうと外に出た。その時僕はアイスを食べながら告白しようと思った。

公園で食べてる時、超がつくほどの緊張が襲ってきた。僕は口数も少なくなりIが心配しだす。僕は『好きだ』と言おうとするが喉で言葉が詰まり止まっている。

『どうした、のりた?』とIは言ってくる。だが僕は言えない。Iはウエチンが好きなのだ、と思い込みが強くなった。結局、言えなかった。アイスの味など当然わからず食べ終えた。言えなくなったとたん、僕は緊張感が取れて喋りだした。Iは僕のことを不思議に思ったのだろう。

その後もIと遊んだが、やはり告白はできない。そして四年が終わる頃、Iは転校することになった。僕は当然悲しくなった。最後の終業式日、前日汚い字で書いた僕の心情の手紙を思い切ってIに渡した。Iは笑って『ありがとう』と受け取ったが、まさか『好きだ』と書いてあるとは思わないだろう。ただの別れの手紙と思っているに違いない。

僕の住所を知っているIは折り返し手紙が来ると思っていた。だが来なかった。振られたんだな。しかし五年に進級し、数日が経ったある日、なんとIが家に来た。たまたま母と近辺を通ったからとよったらしい。Iは『手紙ありがとう』と元気に言い、すぐに行ってしまった。外にはタクシーが停まっていた。走り去るタクシーの窓からIは手を振っていた。Iはぼくに何か言おうとした感じだった。緊張してたのかな。

実は『私も好きだった!』を少し期待していた。また会いたかったが、それ以来Iは来なかった。

その後五、六年時も恋をした。勉強ができかわいい感じの子だ。だが、友人ワタとその子は両思いのカップルになっていたので、当然告白もできなかった。その子は結構クラスの男子に人気者。ほかの男子も好んでいたし、みんな友人のワタに嫉妬していただろう。

しかし、僕を好きな女子が現れた。それは小六のバレンタインデーになんと、ハートが半分切れたペンダントを貰った。嬉しかったがタイプじゃないので、カップルにはならなかった。僕がいい返事をしないのもある。よく僕を好きになったなと、自分が驚いた。

世の中物好きもいるもんだ、と。

中学に入るとより異性に意識しだす。女の体に興味が沸いてきた。中一の夏から自慰行為を覚えたら、女子の胸の膨らみを見てしまう。ブラジャーの線も見ていた。中一時、女子はブラジャーを着けてる人と着けてない人がいた。特に着けてない女子の胸を凝視していた。完璧なエロ男になった。

好きになった女もいたが、やはり片思いで告白もしない。体操着時の好きな女の体を頭にインプットして、それを想像しながら自家発電も当然していた。女子の胸もよく触っては逃げていた。またそれを想像しながら自家発電をする。僕の中学時代はこんな感じである。好きな女もいたが、片思いでのエロ男だ。

男子高校に行ったため好きな女ができない日々。エロ本の世話だらけ。

高校を辞め東京に行ったが、好きな女はできなかった。東京の女子高生はなぜか大人の雰囲気があり地元の女と違った。僕なんか相手にされない感じ。弁当屋のバイトで女子高生のバイトと普段の話しはしたが、友達を紹介されたり、その女子高生との恋愛はなかった。やはりエロ本のお世話になっていた。

十八歳になり恋愛もなく風俗でとうとう童貞を緊張しながら捨てた。あまり気持ちよく感じられなかった。自家発電が長かったのからか。その後も恋愛はなく風俗にはまり出す。

その後、二十一歳頃僕は歯医者に通っていた。そして、そこの助手と付き合った。いわゆる彼女が出来た。レンタルレコード屋でK子から声を掛けて来たのが切っ掛けだった。

K子は年が一つ下で少し太いが明るい女性であった。そのとき酔っていたせいか早速、そこのレンタルレコード屋でドライブの約束をした。

そして諏訪湖までドライブに行った。その時、素で見るとあまりタイプじゃなかった。

だが、K子が積極的なため付き合いが始まった。よく会っているとK子を好きになってきた。彼女の魔力に掛かった感じ。そして数回会った時、K子を抱いた。僕は自家発電と風俗から脱出。久々と初めて風俗じゃないため大爆発した。

それから一年半位付き合った頃、K子が結婚のことを言い出した。僕はまだその気はない。でも彼女はうるさく言う。肉体関係があるからか、かなり結婚をほのめかす。だがK子の親に嫌われていた。理由は僕の家に泊まったからだ。門限がありたしか十一時だった。

彼女の親は嫁入り前の娘を泊まらせないでくれと怒られた。それから僕の評判はよくなくなった。K子を好きなため別れたくはない。

そして、彼女の親が僕をダメだと判断したのか突然、K子が僕の家に来なくなった。会いたくなり電話しても会ってくれない。僕が悪いの一点張りだった。嫌われていたから向こうの親に会わなかった。僕の心中を親に言わないからか? やはりK子は祝福されたいらしく、僕を振った。振るより振られる方がいいと言われるが、嫌な感じで未練もあり不貞腐っていた。

その半年後、K子は結婚することになったと僕に電話で言った。僕は腸が煮え繰り返った。いちいち報告するなと思う。

K子と別れた一年後の二十四歳時に彼女が出来た。僕は当時通信高校に通っていた。その時に知り合った女。その彼女は僕より二つ下で通信高校を卒業している。僕は年上だがまだ通っている。

彼女は母校に遊びに来たとき僕が飲みに誘った。元々顔見知りだったのもある。しかもその日に抱いてしまった。そしてY子と付き合うことになった。Y子は気が強い性格である。太ってもなく細身でもない。やはり付き合ってると好きになる。好きだから誘った訳ではなく、勢いで飲みに誘った。そして勢いでホテルに行ってしまった。

Y子も門限があり、夜十一時までだった。でもホテルに行った時、初日から泊まってしまい門限をやぶった。Y子は親に怒られたようだ。僕の存在もわかり初めから悪い印象の付き合いが始まった。一年後、親に会い食事をした。Y子を好きだし自分の気持ちを親に伝えた。親と言っても母親だけである。父は義父らしい。僕の前には姿を見せなかった。後々、推定犯人の義父から脅迫状をもらうことになる。その話しはいつかここのページで載せたい。  

母親には結婚を前提に付き合っていると言った。母親は納得したようで事は終わった。

僕は不注意から腰の骨を折り入院し退院した頃、会社から解雇された。腰が悪いじゃ運送屋としては不必要になったのだろう。リハビリをしながら仕事を探していたが中々見つからない。Y子も仕事をしてない僕にだんだん嫌気が出たのか、ブツブツ文句を言い出した。見つからないのだからしょうがない。数カ月後、しびれを切らした彼女からやはり、振られた。無職の僕は未練たらたらでよりを戻そうとしたがダメだった。仕事をしていないじゃ僕も下りるしかない。

四十一歳のとき四カ月付き合った女がいたが、それは恋とはいえなかった。その後、新たな彼女はいない。付き合うと別れるのが目に見えるのか、面倒になり作らなかったのもある。そのため当然レンタルDVDのお世話になっている。最近のお気に入りは女子高生シリーズだ。これでは当分彼女が出来ないだろう。


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