第18話「積み上げられた屍の山をぉぉぉお!」
7.62mm口径の銃口から、30-06スプリングフィールド弾が250発の布製ベルトリンクからドンドン吐き出されていく!!
それを部隊全体で全面に集中配備!
しっかり狙って撃つなんて真似はせず、もう無茶苦茶に撃ちまくる!!
一人ひとりを狙撃するのではなく、エリア全体を火網で押し包む「エリア射撃」でエルフどもを打ち砕くのだ!!
「ぎゃあああああああ!!」
「ぐぁぁぁぁあああああ!」
「腕が、腕がぁぁあああ!」
たちまちの阿鼻叫喚、地獄絵図。
撃ち抜かれたエルフの神官がバタバタとのたうちまくり、隣の弓手に誤射。そいつを顎下から刺し殺してしまう。
一方で、頭部粉砕された兵が勝手に迷走し、仲間に圧し掛かり一緒に肉片になるまで撃ちまくられる。
他方では腕に足にと直撃した兵が母親を求めて泣きじゃくる。だが、そこに追加の一発が飛び込み、あっという間に物言わぬ骸に変える。
「あははははははははははははははは!!」
見ろ!
エルフがゴミのようだ!!
「あははははははははははははははは!!」
バタバタと倒れていくエルフ達。
その数は、もういくらもない───!
「な、な、なななななな、なぁぁぁあ!!」
私の精鋭が死んでいく──────と、サティラが頭を抱えて嘆いている。
だけど、お前もすぐ仲間にしてやるから安心しろ。
サティラぁぁ───。
「死んだエルフだけが、冥府にいけるのよ───」
そして、サティラ。
「アンタもそろそろ年貢の納め時───!! 死んでダークエルフ達に歓迎されるがいい!!」
エミリアは空挺部隊から、
わざとサティラを狙わない様にしているのだ。
この手で仕留めるために──────。
「サティラ、サティラ、サティラぁぁぁぁあ」
覚えている?
私が最後の死霊術を使ったとき───……。
「痛かった……。痛かったわよぉぉおお」
心臓を貫かれる痛み!!
パァン!! と、サティラに足元に一発。
「ひぃ!!」
骨を刺し砕かれる激痛!!
パパパパン!! と、今度は連射。
「ひゃあああああ!!」
そして、頭を肺を喉を腸をぉぉっぉぉおおおおお!!
「噛みまわされる痛みをしれぇぇぇえええ!!」
パパパパパパパパパパパパパパパパパパパ!! 無茶苦茶に乱射して、サティラの周囲を土埃で覆う。
「いやぁぁぁああああああ!!」
「思い知れぇぇぇぇぇええええええええ!!」
パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパ!!
強烈な連射がサティラを覆い、ついにへたり込む。
だが、当たっちゃいないはずだ。そうとも、そう簡単に当てるものか───。
「ひぃ、ひぃ……!」
「サティラ」
撃ちながら前進していたエミリアがついにサティラの元にたどり着く。
そして、失禁しアワアワと口を戦慄かせている彼女の額に銃口を突きつけると、
「久しぶりね」
グイッと、無理やりエミリアの方を向かせると言った。
「ひぃぃぃぃぃぃいいい!!」
バシャバシャと股間を濡らすサティラ。
彼女の周囲には生きているものなど誰一人として残っていない。
いや、多少はいるか───。
ズダボロの死体未満が、苦しそうに呻き声をあげているだけ。
「ああああああああ、アンタなんてことを!!」
キョロキョロと周囲を見渡し、絶望に顔を染めるサティラ。
なんてこと、
なんてこと、
なんてことを!!
「なんてことをしてくれたのぉぉぉおおおおおお!!」
ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
「皆、皆善良で優しい人達ばっかりなのにぃぃぃぃいいいい!!!」
この、
「悪魔がぁぁぁあああああああ!!!」
すぅぅぅ……。
「お前がそれを言うのかぁぁぁぁああああああ!!!!!」
あん、ごらぁあ!!
「お前が言うのか!! お前が!!!」
お前にだけは言われたくはないわぁぁぁああ!!
「お前らが始めた!! お前らが終わらせた!! お前らがやったんだろうが!!」
積み上げられる、
頭と、
腕と、
足と、
身体と、
「───
全ッッッッッッッ部!!
「───お前らの仕業だろうがぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!」
楽し気に、ダークエルフを殺した。
わざと剣を落として、拾わせてから残虐に殺した。
小さな女の子を縊り殺して、少年を犯して殺した!!
老いたダークエルフを生きたまま火に放り込み、笑ってた!!
彼の絶叫を肴に、輪になって踊り酒を飲んで───また殺した
殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して───!!
「殺しまくっただろうがぁぁぁぁあああああああ!!」
その因果が今お前に、お前たちに返ってきた!!
「ただそれだけのことだぁぁぁぁぁぁあああああ!!」
あああ、ごらぁぁあ!!
「だからって、やり過ぎでしょぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!」
「おめーーーーーーーーーーーーーーーーが言うなぁぁぁあああ!!」
バァァァッキィィィイン!! と思いっきりぶん殴り、鼻をへし折ってやる。
「へぶぁああ」とか言ってゴロゴロ転がり、仲間の血反吐と腸まみれになるが、知らん!!
「ひぃひぃ……」
あたふたと逃げ惑うサティラ。
それを甚振る様にゆっくりと追いつめるエミリア。
まだだ……。
まだ殺さんよ。
拳に感じた殴り抜いた感触を最大限楽しんで、最恐に後悔させてから地獄に叩き落としてやらにゃぁならない。
「だ、ダークエルフ如きにぃぃ───くぅぅうう!!」
ボロボロと泣き崩れるサティラ。
美しい顔は今やグチャグチャである。
……それにしても、
「なぜ、ダークエルフであるという理由だけ殺されねばならなかったの?」
コイツ等はイカれているとしか思えない。
───ダークエルフの里の人々は優しく、そして平和だった。
明らかに種族の異なるルギアですら、迎え入れ大切に守ってきた。
なのに……。
「ダークエルフの何が悪い? ダークエルフの何が罪だ? ダークエルフの何が気にくわない?」
ねぇ、
ねぇ、
ねぇ───。
「答えろよ、サティラぁぁぁああああ!!」
「ひぃぃいいい!! あああああああ!!」
あぐぅぅううう!!!
「全部だ!! 全部!! 全部悪い!! 何もかもが悪い!!」
生きていることも、
息をすることも、
クソをすることも、
容姿も、
存在も、
この世界の空のもとで、笑って泣いて暮らしていることの全てが悪い!!
「ダーーーーーーーーーークエルフというだけで、生きている事、全てが悪い!!!」
サティラが狂気を帯びた目つきで立ち上がり、エミリアを見下ろすと、一気にまくしたてる。
それはもう、追い詰められたネズミと言うか、全てをかなぐり捨ててヤケクソになったとでもいうか、もはや、──────全てである。
「だから、お前も死ねぇぇぇぇえええええ!!」
「ふざっけんなぁぁぁぁぁぁぁあぁあああ!!」
そんな意味の分からん理屈で、何で殺されにゃならん!!
「理不尽にもほどがあるだろうが!!」
「世界は理不尽なのよ!!!!!!!」
だったら、
だったら───、
「だったらぁぁぁぁぁぁあああああああ!!」
理不尽には理不尽を!!!
「私、エミリア・ルイジアナは宣言する!!」
ビシッと、サティラを指さすと、
「お前は、……お前らは
森エルフは──────いや、エルフと言う種族は全て死ねぇぇぇぇぇええええ!!!
「───私が、
今宵、今、この瞬間──────!!
「エルフは死ね──────!!」
「な、なにを……何を言っているのぉぉお!!」
───お前は『神』にでもなったつもりか!!
「違う!! 私は、お前たちの悪夢だ!! 必要な『神』にでもなってやろう!!」
だから、逃げろ!
今すぐ、逃げろ!!
はやく、逃げろ!!!
「さぁ、サティラ──────私は今からお前たちを滅ぼす。森エルフをエルフという理由だけで滅ぼす」
ただの一人の例外すらなく、
ただの一人の慈悲すらなく、
ただの一人の存在すらない──────!!
「逃げろ逃げろ! エルフのサティラ!!」
背中から剣を引き抜くと、その切っ先でサティラの背をつつき、
「今から──────私が行く!!」
せいぜい、穴倉に籠って仲間と一緒に捻り殺してやる!!
「行けッ!! 走れサティラぁぁぁぁぁぁあああああああ!!」
「ひぃぃぃぃぃいいいいいい!!」
ブンと、剣を振り、彼女の片耳を切り飛ばすと叫ぶ──────。
「
お前たちの悪夢がなぁぁぁぁあああああ!!
あーーーーーーはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!
物凄い速度で逃げ帰るサティラ。
そして、神殿に飛び込んであっという間に見えなくなる。
そうか……。やはりそうか。
あそこにはまだ残党が
神殿の外に逃げなかったのがいい証拠だ。
ふふふふふふふふ。
あははははははは。
「
クルリと振り返ったエミリアは屈託のない笑顔を浮かべていった。
「──────
『『『『『
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます