第5話「空と森と」
アイツはぁぁぁあああ!!
え、
「───エミリア・ルイジアナぁぁぁぁぁあああああああ!!」
エミリア・ルイジアナ───!
ルイジアナ─────!
ジアナ───!
ア──!
『…………はーい。お久しぶり─────』
機体の先でエミリアがニコリと微笑む。
そして、一気に顔を憎悪に歪めると言った!
『───今すぐ死ねッ。クソエルフが!!』
キュィィン……と、ハウリング。
まるで、何かで
その声は間違いなくエミリアのもので、なぜだか知らないが奴は銀のドラゴンの顔の部分に乗っていやがって……!
いやがって、いやがって───…………。
あの野郎───!!
「降りてこい! 卑怯も───」
サティラが言い終わる前に、
───ウィィィィイイン……。
と、ドラゴンの腹にある、無数の棘のような物が真下を指向したかと思うと─────ズダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!
そいつが火を噴きやがった!!
そして、
「ぎゃああああああああ!!」
「ああああああああああ!!」
「あが?! た、たすけ───!」
ブシャぁぁあ!!
と、血袋が弾けたかのように、真っ赤な血の華が咲く。
「な?!」
サティラの目の前で、女子供も負傷兵を容赦なく薙ぎ払い、さらには看病していた者もグッチャグチャに!!
な、なんてことを!!
あの女ぁぁぁあ!!
「───エミリアぁぁぁああああああ!!」
サティラは叫ぶ!
エミリアを叫ぶ!
憎悪をもって叫ぶ!!
「エミリア、エリミア、エミリアぁあ!!」
ぶ……。
ぶっ殺してやる───。
ぶっ殺してやるぅぁぁああ!!
「今すぐ、テメェをぶっ殺してやる!!」
ぶっ殺してやるから、
「──そこから降りて来ぉぉぉぉおい!!」
『怖ーい!───うふふ。あはッ! あはははははははははははははははははは! エルフが燃えているよぉぉお!』
あはははははははははははははははははははははははははははははははは!!
ワザワザ高空から聞こえよがしに笑い転げるエミリア!
それを、黙ってみているサティラなどではない!!!
オノレ、
「───エーーーーーミーーーーーリぃぃーーーーーーーアーーーーーーーーー!!」
サティラは、ガシッ! と弓を掴むと、ギリリリと引き絞る!!
くくくく……!
うひひひ……!
(バカめ!!)
間抜けにも、
「精霊よ──────汝の力を!! 汝の風とともに我が矢をッッ!!」
ぎりりりりりり─────……カンッ!!
甲高い音を立ててサティラの矢がB-29を狙う───!!
そして、
────────────カィン♪
当たっ──…………あれ?
『あーはははははははははははははははははははは! 残念!!』
残念でしたー!!
あはははははははははははははははははははははははははは!!
「エええええええええミリァアあああああああ!!!」
あの野郎、あの野郎、あの野郎!!
あの売女がぁぁぁぁああああああああ!!
「さ、サティラさま!! 今、防火帯を作りました! こ、ここは一時避難を───」
「黙れ!! あの女をこのままにしておくわけにはいかんだろうが!!」
おらぁぉぉお!!───ゴキィ!! と、良い音をさせて、長老の顔面に拳を叩き込みサティラは、無理やり彼を振り払う。
「はぶぁ!!…………で、ですが───いえ、なおのことです」
だが、さすがは長老。
顔面に、イイ一撃を貰っても何とか踏ん張っている。
「何の話よ!」
「げ、ゲリラ戦ですじゃ!」
は…………?
「だから、」
「森に寄って戦いましょうぞ! この集落はもう駄目です。ですが、我らが母なる大森林ならば───」
そ、そうか……!
なるほど、わかったぞ!!!
「……いくら空を飛べても、木々の下に隠れてしまえば───!!」
「ええ、ええ、ええ! そうですとも!!」
長老がカックン、カックンと首をふる。
サティラの理解を全力支援。
なるほど……ゲリラ戦か。
たしかに、理にはかなっている。
何も、空を飛ぶ敵をまともに相手にする必要など、どこにもないのだから。
敵をこちらの土俵に引き込めばいいのだ。
「───わかったわ! すぐに動ける者を集めて武器を配布して!」
「お任せを!!」
そうして、サティラ達は森に潜みエミリアを狙うことに───。
───待ってろよ、エミリア。
エミリア・ルイジアナぁあ!
そして、最後のダークエルフめ……。
縊り殺して、はく製にしてやる!!
我がエルフの里を焼いた罪───万倍にして返してくれる!!
死ねッ、エミリア!!!
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