第19話恋する乙女
腹が減った
長いこと飛んでたからな………
なんて考えてんすかね?
まだ移動して数メートルだつーの
はぁ〜なんで俺がこんな目にあってるんだろ
あ、うっす、サータです
元魔王で今は恋する乙女っす〜
一人称が俺の時点で乙女じゃないと思ってるけどね
飛行中暇すぎるんすよね〜
なんでこうなったんすかね〜
先代のとこに来なきゃよかった
少し、昔の事でも振り返りますかね?
――生まれて初めて聞いた言葉は【死ね】だった
生まれてから5歳になるまではずっと家の中にいた
外に出して貰えなかった
ある日、私は1人で外に出た
帰らなかった
帰り方が分からなかった
スラム街という所に迷い込んだ
優しそうなおじいさんがどうしたのかね?
と聴いてきたから全ての事情を話した
私の人生はこの時点で大きくレールをハズレた
おじいさんは悪人だった
おじいさんは魔法を使って
私を捕まえた
おじいさんはこれでお金が手に入ると叫んでいた
私はおじいさんに売られた
奴隷になった
大丈夫、お母さんが見つけてくれるそう信じていた
でも、そんな日は来なかった
5年の月日を外を見ないまま
檻の中で過ごした
こうしてみると意外と快適だった
私はこの街の地下施設に入れられる
この国は正式には奴隷制度がなく、
奴隷商は、神父の振りをしている
神父もしているが、奴隷商も同時にして、5年間買取がなければ、地下に入れられ
そこで一生を終える
そんな事を5年前に説明されたのを今も覚えている
いや、それしか覚えていない
不味い飯に濁った水そんなものばかりを喰い続けて入ればそうなるだろう
むしろ死ななかったのが不思議だった
これまでの事をおもうと、楽になれていいのかな?と思っていたら奴隷商が来た
いつもよりニコニコしてて気持ち悪い
「どけよ自称神父」
その一言と共に奴隷商はどかされた
蹴りで壁にめり込んだ奴隷商を見て
私は笑ったらしい
「こんな姿の自称神父を笑うなんてさすがだな不死の悪魔たいだよ」
たいだ?怠惰って何?
分からない、私には分からなかった
「参ったな、喋れないのか?」
私はコクリと頷いた
うなずけと心の奥で何かが叫んでいた
「ん〜?しゃーねぇヒール&アルファー」
「何したの?」
「思ったことを話せるようにした」
「え?ほんとだ喋れてる!」
「さぁ、行こうかお嬢さん」
「行くってどこに?」
「リハビリに行こう、魔法も教えてやるし、剣術も教えてやろう、お前が2代目だ」
「2代目?」
訳が分からない
「取り敢えず、お前は今からサータ・マーチだ!いいな?」
「はい!」
私は1年間で鍛え上げられ
師である、蓮二が私を2代目にし、彼は旅立った
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「おい!起きろ2
んー?なんすか?
せっかくいい感じに終わりそうだったのに
「着いたぞ!ミソフィア国だ!」
私は欠伸をしてから
「は〜い」
と答えた
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
今回はサータ目線です
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