第21話 早起きと夜明け
おはよう朝
まだ薄暗いうちに起き出して、経済番組をつける。
ベランダからは仄かに白みがかった空と線状に漂う雲がうっすらと見える。
最近書きたいことも書けていなかった、言いたいことも言えていなかった、飲み会もなくて、嫁も元気がなくて、上司も変わって、情けないことにどうでも良い自分の悩みを誰にも吐き出せずにいた。
モヤモヤしていた。
日本中の、結構な人数の人がそうであるように、モヤモヤしてしまった。
イライラが募り、嫌だと思うことが多くなり、人に対して嫌だと思うことも増え、嫌いな対象をひたすら脳内で批判して、口に出さず、ただ溜め込んで、いつか爆発してしまいそうなこのエネルギーを、何処にぶつけて良いものか。
書くこと。
文才もない、記憶力もない、夢もない、力もない、そんなサラリーマンの駄文を、いったい誰が読むのだろう。
そう考えたところで、モヤモヤはおさまらず、ただ悲しい事に、それでも私は何処かに何かを残したかったのだ。
そういった類のものだ。
これを読める人は本当に尊敬する。
私はまだ、女子高生を拾う物語の方が面白く読めてしまう。
悲しいかな、そんなもんなのだ。
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