第22話 電車に揺られない 伝わらない病

もう暫く電車に乗っていない。


伝えたいことも、伝えなければならないことも、そんなに多くは無い。


何もない。


そんな世界に生きていて、自分の価値を見出して、小さく頷いて、少しずつ前に進む。


未来に進む。


深夜、しょうもない少女漫画原作の映画を見ながら、やけに感傷的になって、やたら切なさを醸し出してくるおっさんにはなりたくなかったのに、どうしてだろう。


こうして、吐き出さずにはいられなかった。


いいことも悪いことも、人生には無数にあって、自分でそれぞれを消化して、皆それぞれ生きている。


私はそれが少し苦手だっただけだ。


誰でもいい。


誰かに何かを伝えないと、不安で、不安で仕方がなくなってしまう。


そんなところがあって、こうして呟いている。


別に何かを伝えたいわけじゃない。


世界を変えたいわけでもない。


ただこうして、自分の呟きを誰かに見てもらいたいだけなのだ。


この呟きを。


Twitterでは書ききれない、長くて、つまらなくて、どうでもいいこの呟きを。


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