第10話 ヴィジュアル系と朝日
朝日
それは朝日新聞のことではない
この眩しくて暖かい
光のカーテンのようなもののことだが、
気持ちいい麗かな朝に私は何故かギルガメッシュというヴィジュアル系バンドの曲をイヤホンで聴いている。
村上春樹はやたら小説にお洒落なジャズやらオペラを持ち込んでくるが、イヤホンの中身は自分だけのものだカッコつける必要もない。
ただ好きなものを聴けばいい。
セロニアスモンクを聴くのも、オアシスを聴くのも、どちらも気持ち良いだろう。
どちらも朝にぴったりだ。
それでも私はギルガメッシュのこのダサくて重い曲が好きなのだ。
彼らの微妙なハッピーオーラみたいなものに何となく勇気付けられたような気もして、今日も電車で微かに足踏みをする。
響けこの世に生きるものに
と言った彼らの歌は、そこそこの人数に聞かれて、そこそこの人数に響いたのだ。
オアシスと比べたら少ないかもしれない。
それでもなお、こんな普通のサラリーマンには響いてる。
そういう存在に、なれたらいいなと少し思う。
本当にちょっぴりと。
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