第6話 節約

 前からそれなりには節約していたつもりだけど、最近以前見てなかったドンキホーテを見る機会があって考え直すことにした。全国どこでも一律じゃないと思うが、安さの殿堂って言葉が刺激を受ける。元々2,3年前にオープンしてパッと見て生鮮食品が無いから無視してた。だが生活の中ですべて生鮮食品じゃない。そういったものを比較すると安いと思っていたものがさらに安いからびっくりした。


 確かにドンキは言うだけの事がある。同時に以前行かなくなった理由もある驚くほど安いか?ならあくまで一部のもので、大半は別に言うほどじゃない。デフレ?物価の安さに消費者が慣れたのか、全国的とは言えないが、ある程度チェーン店で全国展開してるスーパーなどと較べて極端に安いわけじゃない。


 だが、一部安い商品それぞれの店で選択すればトータルではかなり安くなる。頭を使えばすぐに出た結論だった。この数年なんだったのかー。いやもちろん一括ですまさないのは面倒だ。だが何点かを必要なものが特別にあり別個に分けて買い遠回りするような道じゃないなら、それほど面倒じゃない。


 安いなと思っていたものがさらに安くなって、ドンキの宣伝文句の驚愕の安さって言葉になんとなく今なら納得できる。オープン当時はそれが色眼鏡になって失望に変わってしまって、生鮮食品もまるで無いので、いかなくなってしまっていたけど。


 行くようになった動機が安いシュークリームが欲しいなと思ったのがきっかけになる。孤独のグルメがきっかけかな。ゴローがおいしそうに甘いものを食べていた。滅多にこういうの食べない。がっつりメシが基本だから。でもたまに1食の前にさらっとしたものを食べる。それは立ち食いうどんだったりそんなものになり、仕事後にがっつりメシを2度目で食べる。


 その一度目で甘いものを食っていた。これが上手そうだったので、自分も何か食べたいなと思ったけど、ここで改めて眼を向けた甘いものについて、スイーツって奴が何かいらっとしたんだ。今のスイーツブームはそれ自体を生活の中で豊かな生活向上みたいな?意識高い感じが全面に出てる。軽い子供のおやつ感覚が許されないんだ。


 どれこれも高いんだ。だがそれは分かるのは分かるんだ。食事とは違う、あくまで贅沢品としての濃密な時間のための食べ物なんだ。コンセプトが私と違うって点で駄目なんだ。食事の追加でちょっと食べる小腹の足し程度のおやつ感覚のシュークリームが欲しかった。これが無いんだ。スイーツって概念のせいなんだ。


 それで久々ドンキも見てみるか?といってみたのがきっかけだった。ある事はあった。全国一律か?は分からないが、半端な金額のシュークリームが売ってた。1個50円。はっきり安いわけじゃない。だが最低基準100円ぐらいになってしまうスイーツって概念とこれは違うと感じるんだ。はっきり安いと感じたのは、100円ぐらいで小サイズの複数セットのシュークリームがあった事だ。


 これのもう1つ小さいサイズもあると思うが、それは本当に小さくて数が多くても普通サイズと較べて全体のG数だとそんなにお得じゃないんだ。こっちは明確にお得だ。


 そもそも安い安くないじゃなくて、他じゃ存在し無い事が多い。コンビニじゃかなり特殊な所じゃないと無いだろうな。コンビニは特にスイーツって概念が発達してて、シュークリームはおやつじゃなくてたばこなどの嗜好品になってしまっている。明確にドンキに行く目的が出来た。


 それで目に付いたものを見ていたら、全体で言えば特に安くない。ドンキが安くないってわけじゃないんだ。他の店が今の時代頑張りすぎてる。イオンなどそもそもめーかー品じゃないPBとかも仕組み的にも本当に安い。これはユニクロなどと同じでそりゃ易さ目的の自社製品より安いものなんてそう無い。


 だが部分的に見るとなんだこれ?ぐらいの安さの物がある。やるじゃないかドンキと見る目が全く変わった。


 さて、ある程度日常化してきた2度目の訪問で、シュークリームコーナーにミニシュークリームセットが無い。50円のはある。前回は50円ミドルシュークリームが少なかった。どうやらこの2つ同時に豊富に存在し無い。それを考えると多分私と同じ客層の存在をはっきり感じる。他の店には無いタイプ。これが希少価値になる。次にスイーツではなくおやつとしてのシュークリームを求める層。


 やられた、日常的に当たり前に買えないのは不便だ。だってそうでしょ?特別な先着何名とかの特売とかじゃないのにしょっちゅう売り切れ商品なんてそう無いでしょ?こういうのは何度もいかないと分からないよ。だが私は準備はしていた。前回偏っていたのが気になっていたんだ。


 そこで私は実はアンコが食べたかったんだ。昔はあまり好きじゃなかった。年食ってから、雑穀っぽさがある小豆の味が好きになった。後実は私ちょっと小麦苦手。明確なセリアック病じゃないが、日本人は潜在的セリアック病が多分大半であるとの推測が出ていた。考えてみれば分かるが、日本人は麦食よりその他の民族に較べて米食でずっと生きてきた歴史がある。


 セリアック病は緑の革命以後の小麦によって発生するとの見解もあるが、そのあたりなんとも言えない。それでもやっぱり小麦のグルテンに対する耐性と言うのは、長い食生活の民族の歴史とは無関係とは言えない。多分日本人は他の民族に比べて潜在的セリアック病である可能性は高い。


 本当に上手そうだからが主たる理由だが、何故シュークリームなのか?で小麦を皮として扱う食品なら小麦の摂取量が減るからになる。量が少なければほとんど腹痛になった事が無い。そこで皮として扱うといえば饅頭。あれはアンコの方が多いものが多い。後大判焼、今川焼も皮の面が強いのじゃないか?と思う。


 常時見てるわけじゃないが、朝ドラでたまたま見た大判焼きが旨そうだったとなる。またドラマかよとなるが、何かそういう効果ってあると思う。実は五平餅も食べたいなと思ってるがあっちは探せばどこかにあると思うし、みたらしダンゴでも似たようなものだとの思いもあり、なんとなくまだ食べれてない。


 そうみたらしダンゴや3色団子などもリーズナブルなおやつ、つまみって感じの安いのがちらほらある。小分けにして食べればお得だし。これどうしようかと迷ってる面があるが甘い!って軸で選んでしまってちょっとまだ手を出してない。


 それで、アンコ食べたい。安い、日持ちを考えてアンマンなんてどう?って考えた。


 だが、ドンキでアンマン?って事で迷ってしまった。根本的には食品をがっつり買う場所じゃない。だが一部の食品は本当に安いんだ。だから比較検討と言う事でシュークリームの保険にしようと考えて探してみた。スーパーなども探してみるつもりだ。だが見つからない…。困ったため店員さんに聞くことにした。


 「あのすみません、肉まんってどこにありますか?」


 何故肉まん?アンマンピザまんカレーマン、大体この手の同じ場所においてある。アンマンどこにありますか?より肉まんって言って私がコーナーで選択すれば良いと考えたためである。


 「どんなブランドで?」


 え?ああ。


 「井村屋とか、ヤマザキとかなんでも良いので肉まんどこにありますか?」


 それで案内されたのが、パンのコーナーだった。へ?ありました…。そりゃ見つからない。通常肉まんは冷蔵コーナーにある。なんと常温のパンと同じ場所においてあった。井村屋じゃない、ヤマザキだった。しかも選ぼうと思ったらアンマンが無い…。実質肉まんだけ。んがーやられた。本当に肉まんが欲しかったわけじゃないんだよ!


 でも、思わず買ってしまった…。食事の時に一品別腹って意味が大きかった。本当はまた紆余曲折だが本音はなんなんだよ?となるが、元々後一品食べたいってのがあって、変わったものが食べたくて甘いものになっていた。食事であまり取らないから。でもまあ元の一品を思い出して肉まんで妥協。そもそもこれシュークリームの保険だし。


 ただ数が多いな…。まあ賞味期限切れても後で冷蔵庫に入れて食えば良いかと考えると、複数入ってて、その場で割り算。1個あたりを出して、うんまあ高くは無い。


 甘いものってのが、私は痩せていてちょっと太りたいぐらいと言うのがあった。成人病は確かに肥満メタボを歳をとると危険視するが、同時に多少肉付きが良い方がウイルス性の病気には強いんだ。痩せ型は別のリクスがあるし、適度な脂肪ならカロリーは決して敵じゃない。むしろ多少なら脂肪は健康のため良い。


 本来栄養に良い食品で高カロリーをあげる人は皆無だ。だが私の場合極端に痩せていてそのため高カロリーで少しでも太りたいとなる痩せ型でも糖尿病ってのがあるが、あれは実際は腹回りは肉付きが良い。私は腹回りすら20代のときよりスリムなんだ。いろいろと原因があって腹の肉まで落ちるほど痩せてしまったのが原因。


 まあ甘さに拘り過ぎなくても良いだろうと保険の肉まんを買って、良い買い物が出来たとホクホクでドンキを後にした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る