暴走トラックと運命的な出遭いを果たした“私”は、自分が更新の止まったどマイナーネット小説、その悪役令嬢オクタヴィア(7歳)に転生したことを知る。ナチュラルボーンな悪役令嬢好きな彼女は、悪のボスである父や婚約者を巻き込み、この世界で立派な悪役を演じ抜くため立ち上がる!
うん、生き残るとか巻き返すとかじゃなく、惨たらしく散らされることが定められた悪の道を全力疾走してやるっていう生き様、まさにフルスイングですね。ざくざくとした語り口の妙味もありますが、主人公のオクタヴィアさんっていうキャラクターがとにかく強いんですよ。物語のど真ん中をまっすぐ駆け抜けていく様、まさに痛快のひと言です。舞台設定のリアルさがちょっと涙をそそったりもしますけどね。
そして、確定しているはずのルートがちょっとずつずれていくことでもたらされる期待感、目が離せません!
悲壮感一切なしなオクタヴィアさんの悪役譚、読めばかならず元気になれますよー!
(「幕開けはフルスイング!」4選/文=髙橋 剛)