やばい、頬が緩みっぱなしですわwww
幅広いジャンル用の筆を巧みに使い分ける技能に畏敬の念を誰もが禁じ得ない、そんな御作者様による実に可愛らしい作品です!
短編ながらも、じっくり楽しく、幸せな世界に浸って読み進める事ができる点もよし。
あるいはジャンル通り、ミステリとして完成された作品ですので、感度を上げて読み進めるとこれもまた楽しい。
どのような方に、どのようにご覧いただいても楽しめる。そんな素敵な作品です。
ミステリを生む苦労は私も重々承知ですので、一見気軽に書かれた御作品がどれほどの計算に基づいているか、それはよく分かります。どこでタネを確実に読者様の記憶へ植え付けるか。そのタネをどうやってタネと気付かせないようにするか。
だというのに、そんな苦労を微塵も感じさせることの無いこの作風。
いやはや、本当に素晴らしい御作品でした。
久し振りに想像力と観察力を総動員して楽しむことが出来ました。
是非ともまた、御作者様の可愛い系ミステリを拝読させていただきたいと願います!
短編ですので、サクッと読んでスッキリ終わります。
謎の依頼主の相手をする、経験豊富そうなとある事務所の所長。
探偵物なんかでよく見る光景から話は始まります。
情報は小出しに、ほぼ会話や独白を中心に構成されていて、どういうことなんだろうと読み進めることに。
藪の中、映画なら羅生門なんて古典がありますが、ちょっと連想させられました。
そんなミステリ/サスペンスにも似た、謎を頭の中で転がす面白さがあります。
でも、ハードな話ではないのでご安心を。
だって所長の助手は、うそくんですからね。
ミステリといってもあくまでプチ、心温まる結末を是非ご堪能ください。