第2話 学校開始まであと少し
春休みも残り数日となって来た今日この頃
僕の家にはパンツ一丁の新種のゴリラがうろついていた
「暇だからちょっと株でもやらないか?」
「やらねーよ!そもそも高校がそんなの出来んのかよ?」
「出来るぞ、親の許可と証券会社によっては」
「マジかよ…でも高校生の内はそれらのたぐいで、お金溶かした人見て喜んでるわ」
「お前って結構クズだな、そんな向上心無いから老後になって俺にお金貸してください何でもしますから!とか言い出すんだよ」
「言わねえよ!」
しかもこのゴリラ、頭も良く顔もいいと来たものだ
「おい、いちいち心の中で俺をゴリラ扱いするのは辞めろ」
「などと犯人は訳の分からない事を供述しており…
「お前のスマホ初期化するぞ?」
「出来るの?」
「寝てる間にお前の指紋くらい取ってるよ」
相手は安定のドヤ顔である、正に外道!
「ごめんなさい、許して大地様!」
顔を地面に叩きつけ精一杯体を地面に当て
完璧な土下座を披露する
「そこまでするか…」
「プライドなんて物、中学時代にくれて来てやったからな」
ドヤ顔でそう言い放つ
「俺は第二ボタンをくれて来てやったがな」
こっちもドヤ顔であるが何かが違う気がする
「酷い格差社会だ」
こいつは旅行愛好会の同学年の部員の一人でもある 柳沢 大地
頭も良いし顔も悪くないのに、行動や空気を読まない言動が多数見られる
俺の家にパンツ一丁で居るのもその一つだ
さて、この男2人特にする事も無くとりあえず俺の部屋に集まっている状態だ
すると下から玄関のドアが開く音がする
「お邪魔します〜」
「やべえ!大地服着ろ!」
どうやら綾香が遊びに来たようだ
「何故だ?」
「家に女の子が来たからだよ!」
「それで服を着る意味が分からない」
「いや分かるだろ、俺らの関係が誤解されるからだ!」
「別にいいじゃないか」
「よくねえよ!早くしろ!」
こんなところで俺の薔薇色の高校生活を終わらせてはいけない
今のところは何も起こっていないのだがきっ
と起こるのだ…きっと
「あれ、幸田くんいないのかなぁ」
下を探し終わった綾香が二階への階段を上がり始める
「いやマジでお願いだって!」
「無理だ、諦めろ」
「仕方ねぇ、諦めたらそこで試合終了じゃあ!」
無理くり服を着せる強行手段に出る
「おい、ふざけるな!何をする!」
「うるさい!とっと服着ろ!」
しかしさすがは鍛えてるだけあってなかなかすすまない
気づけばドアの戸が空いて、綾香がこちを
観ている
「えっと…失礼しました!」
新幹線もビックリな速度で扉を閉めるとそのまま家に帰っていってしまった
「ねえどうすの!?ようやく立ち始めた俺のフラグをどうしてそう簡単に折っちゃの?」
「そこにフラグがあったから」
「かっこよくねーよ!」
そのあと綾香の家に釈明に向かい
二時間ほど熱心に説明し続けたら納得してくれた
また、俺のうちに来るかと聞いたが今日は
遠慮するだそうだ、変な勘違いされてなきゃ良いけど…
「後さ、明日空いてる?」
「うん、空いてるけど?」
「明日じゃあ迎えにくるから一応下着の替えと、寒さに強い服装を持ってく準備お願い」
「えっ、それってどうゆう事!?」
「明日になってからのお楽しみ」
そのまま綾香の顔を見ずに部屋を後にした
「とゆうことで春休み一泊二日の暇つぶしキャンプをしたいんだけどどうかな?」
綾香の家から帰った後、俺たちが話した内容はこうだ
前回の会話から察するに綾香は俺らの高校に
転校とゆう形になるのだろう、いきなりクラスに放り出されるのも大変だろうから今回のキャンプを体験入部としてある程度交流を持ってからのスタートにしようにさせて上げたいとゆう俺の提案だ
「悪くないな、部員にはクラスメイトが多数いるし、俺もいきなりクラスに放り出されたら辛いしな」
「お前も流石にこうゆうのはキツイんだ」
「俺だって人間だ、当たり前だろ」
「もう明日から行った方がいいよな」
「ああ、帰って来て1日休んで学校に
しないと多分、彼女の体が持たないからな」
ただキャンプするだけでも、初めてだと結構体に負担が来る
「どれくらい集まるかなぁ?」
「どうだろう、多分意外とみんな暇してると思うぞ」
「だと良いけどな」
取り敢えずグループチャットに書き込んでみる
「今回うちの学校に、転校生が来ることになりました
学校生活に早く馴染んでもらえるよう
体験入部として今回その子も参加します
以上の理由によってキャンプを企画します
明日キャンプ他に来る方は居ますか?」
するとすぐに返信が来る
「つまり私に赤石君からデートのお誘いね、
そんな積極的にアプローチされたらいくしか無いわ」
「何でそうなったか分かりませんが参加
ですね、雫 先輩」
「ええ、デートの誘いに乗ってあげるわ」
「デートじゃ無いですって」
「じゃあ私も参加するからダブルデートになるね赤石!モテ男は違うね〜」
「ダブルデートの意味違うし、そんな事言うなら二度と宿題見せないぞ?」
「良いもーん、柳沢に見せてもらうから」
「見せるメリットがない、諦めろ」
「ちぇ、振られちゃったか残念
じゃあその新しく来る子に見せてもらうかな」
「救いようの無いやつだ」
「水又先輩はどうしますか?」
「しばらく忙しいからパ〜ス」
「分かりました、女遊びで忙しいから今回は行けないってことですね?」
「さすが、何で分かったの?」
「そりゃ一年一緒の部活でしたから」
「さすが俺が目をつけた後輩だけあるな」
「嬉しく無いです」
「ちなみにその子とはどんな関係?」
わざと隠してた部分を突いてくる
さすがだ
「小学校の頃の知り合いです」
「性別はどっちなの?」
「女の子です」
「赤石ったら隅におけないね〜」
「そうゆう関係じゃないから!」
「付き合ってる奴は大抵そんな事言うんだよな〜」
「それは自分の経験談でしょ!取り敢えずそんなことより、明日の日程決めちゃいましょう!」
何とか話を逸らしその日の活動は終了した
朝8時、食事を済ませ家を出る
今日と明日の天候は幸いにも晴れで、そよ風が体に当たり心地いい
こんな日は一日じゅう、外でぼーっとしていたい所だけれどそうもいかない
「お邪魔しまーす」
昔懐かしい顔が見える、今も昔も家庭的で
美人な人だ
「あら、幸田君おはよう」
「おはようございます」
「幸田君のお母さんから話は聞いてるわ、
今回はありがとね」
「いえいえ、ちょうどキャンプもしたかったしで気にしないで下さい!
それよりも許可してくれて、ありがとうございます」
いくら交流があると言っても、一泊二日で娘を男に預けるのだ
俺だったら心配で気が気でない
「ふふ、幸田君なら昔から見ていて信頼できるし、綾香のためでもあるわけだしね」
そう言ってもらったからにはその信頼にこたえなければなるまい
「そう言ってもらえると嬉しいです」
「おっ、お待たせ!」
二階から、リュックを背負って降りてくる
安定のかわいさなのだが、いつのより少し
顔が赤い気がする
「上着はもった?」
「うんバッチリ」
「それじゃあ行きますか」
ちなみにまだ綾香には今日何をするか、誰が来るかは一切伝えていない
知らない人いっぱいな環境と知って断られるのも嫌だったし、それにサプライズ的な方が面白いし
「幸田君バイクの免許持ってるんだね」
「まあ、昔からちょっと憧れててさ
ちゃんと掴んでてね、綾香ちゃん」
「うん、分かった」
少し緊張しているのか、少し彼女の体が温かく感じるし少し体が硬い、でもそれは俺も同じ事だ
「じゃあ、一泊二日キャンプの旅出発しま〜す!」
「え…?」
走り始めてから聞こえる、質問の嵐は全て風の音で聞こえなかった、そうゆうことにしておこう
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