第3話 みんなで

「よし、ついたぞ」


キャンプ場付近にバイクを止める

周りには結構家族連れが多く、ぼっちで

キャンプするにはなかなかの高難易度だ


「みんなはいつくらいに来るの?」


「ん〜とそうだな、クラスメイトの女子がもうすぐ1人来て、午後からイカれた自転車野郎

と毒舌先輩が来る感じかな」


「何その最後の怖そうな人達?」


「言葉の通りだし、会えばすぐ分かるよ

ちなみにイカれた自転車バカの方は昨日

会ったあれだ」


「え、あの人?」


あからさまに引いているのが分かる


「大丈夫だ、奴は流石に外では脱がないから」


「それならいいんだけど」


受付を済ませ2人でキャンプ道具を運び込む


「あと取り敢えず人きたら俺ら上の名前で呼び合うって事でいいかな?」


流石にみんなの前でその呼び方はきつい


「そうだね、さすがにみんなの前じゃ恥ずかしいよね」


二人で顔を合わせ苦笑いを浮かべる


「よくキャンプとか来るの?」


「ん〜1ヶ月に一回くらい?」


「結構やるんだね、私なんて人生で初めてだよ」


「普通そうだわな、結構道具値段かかるし、興味もあまり持たないし

でも一回やるともうやめられねーぞ?」

ニヤリと笑う


「いやまさか、私は流石にはまらないよ」


「そう言ってられるのも今のうちだ、

このキャンプが終わる頃には、お前も自分の道具を買うために、一緒にバイトに明け暮れるのだ!」


「やだな〜そんな高校生活」


取り敢えず設営場所に着いたので荷物を下ろす

辺りにはまだ全然人が居なくて少し高いところにあるこのキャンプ場からは付近の森が辺り一面に広がる


「こんな光景普段の生活じゃまずないだろ」


「そうだね、すっごく綺麗」


どこの場所に目を移しても一つとして同じような景色がなく違う光景が映される


「お、その子が噂の赤石君の彼女?」


後ろから馴染みの声が聞こえる


「違うよ、昔の友達」


「とか言ってますけど本当のところは?」


意地悪な視線を綾香に向ける


「本当にそれだけ!」


「なーんだつまんない

私しの名前は 青木 鈴 あなたの名前教えてもらってもいい?」


「えっと、私は花下 綾香」


「綾香か、いい名前だね!女の子同士これからよろしくね!」


「こちらこそよろしくね!」


互いに笑いながら結構フレンドリーな感じで言葉を交わす

二人ともなかなかのコミュ力である

俺だったら初対面でこれは無理だ


「にしても彩花さん可愛いね、前の学校だとかなりモテてたんじゃない?」


「え、そんな事ないよ〜」


微妙に照れて軽く顔が赤く染まる


「それを言ったら青木さんだってモテモテじゃないの?」


「やだな〜そんな事ないよ」


とはいつつも、実際青木は可愛いのだが

そうはならないのは性格が男ぽくて

そうゆう目でなかなか見られないし、友達感覚で男子と接するからである


大きな目に、短い髪の毛

軽く焼けた肌に、そこまで大きくない胸

それがさらにそれを加速させてしまう


「ねえ赤石、この子私の嫁に頂戴?」


「娘はやらん」


「そこを何とか!」


両手を合わせて頼み込まれる


「仕方ないな、結婚を許そう」


「ありがと〜!」


「勝手に私の未来を決めないで!?」


「何、いいってことよ」


「も〜二人とも私の話を聞いて〜」


「ところで青木お前昼飯どうした?」


「あ、忘れてた!赤石は?」


「俺も忘れてた」


「じゃあ、近くのあの店で食べない?」


綾香が指を刺す方向には木をメインとする

おしゃれな喫茶店が立っていた


「いいね綾香さん!ナイス!」


「あと私の事は呼び捨てでいいよ」


「そう?呼び捨てでよぶ、よろしくね綾香」


「こちらこそよろしく、鈴」


「早速仲良くなったな〜」


「やっぱり私達運命の赤い糸で結ばれてるんだよ、きっと!」


「えーまだその設定続けるの鈴」


3人楽しく近くの喫茶店へと向かった





「でさ〜その時赤石がさ〜」


「え、嘘マジで!?かわいい〜」


「花下さん!その話は本当にやめて!」


喫茶店に入って昼食を取り終えしばらく

おしゃべりしていると着信がなる


「悪い、ちょっと外す」


席を立ち少し離れたところでスマホを耳にかざす


「よお、おれおれ」


「なんだ、新手のオレオレ詐欺か、生憎おれは金持ってないぞ」


「な訳ないだろ、大地だ、もうすぐ着くから連絡入れとこうと思ってな」


「そうゆう事ね、ついでにみんなの分の夜飯買ってきてもらっていい?」


「金は後でもらうぞ?」


「当然、メニューも任せていい?」


「任された、適当に買ってく」


「サンキュ、キャンプ場で待ってる」


通話が終了された


「二人とも自転車バカがそろそろ、来るからキャンプ場戻ろう」


「まあ、あいつならこれくらいの距離すぐ着くわよね」


「大人しく自転車競技部入ればいいのにな」


「本当にね」


二人して呆れて話す


「何で自転車競技部?」


事情を知らない綾香が疑問の声を上げる


「あいつは目的地がどんな場所でも自転車で

行くんだよ、どんな旅行先にでも」


「そうなんだよね、学校サボってまでして愛好会のに自転車できちゃうし、ほんと理解できないわ」


「それは…凄いね」

綾香も思わず苦笑いを浮かべた






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