第22話 なぜ進は彼女なし?

それは進と亮介が入学して間もない頃、まだ生徒会に選抜されたばかりで、仕事もよく理解していないようなときのことだ。


「なぁ、亮介は彼女がいるらしいからわかるけど、何で進は彼女作らないんだよ?」


クラスメイトの男子生徒が今校内でも話題の疑問を口にする。


「確かにな。もう三人くらいに告白されてんたろ?」


さらに違う生徒もその話に乗る。


「そりゃあ、進は見た目も良いし、入試の点数も新入生試験の点数も一位。体力テストも悪くなかったからなぁ。」

「そりゃあモテるわなぁ。」


そう、確かに高スペックな進むに食いつく女子はいるし、人気はある。しかし進は一切誰とも付き合うつもりがないと言った感じに、女子に興味を示さない。


「あぁ、そういう話題は進むの前では出すなよ。」


亮介がそんな話をしている男子たちに割って入る


「あいつ、そういう話題は苦手だから、それに進が彼女を作らないのには、ちゃんと理由があると思うぞ。」


「なんだよその理由って?」

「さぁ?自分で突き止めてみな。進は口が固いから大変だろうけど。」

「教えろよー!」


進が彼女を作らない理由を亮介も直接は聞いたことがない。だが、親友のことぐらい話さなくてもわかるのだ。


「よぉ進。今日も話題に上がってんな。」

「亮介か。そうだな。」


進に声をかけると、イヤホンをはずして顔をあげる。


「瑠奈ちゃん元気だって春奈が言ってたぞ。部活も調子いいらしい。顧問が変わってから空気が本当にいいって。」


「毎回言っているが、俺にその話は関係ないだろう?」


亮介は定期的に春奈から瑠奈や学校の様子を聞き進に伝えていた。もちろん亮介の独断だから春奈も瑠奈もそのことは知らない。


それは進が彼女を作らない理由と関係があると思うからやっている。

“毎回俺には関係ないことだ“

と言いながらも、しっかりと話の内容は覚えているあたり、親友のツンデレにも苦笑しかない。


「はいはい。瑠奈ちゃんの連絡先いる?春奈に聞こうか?」

「いらん。」

「わかったよ。」


いい加減素直になれ、亮介はそう言いたい。どんだけ無理して理性で自分を押さえつけているのか、本当は瑠奈に会いたいだろうし、もっと言うならきっと────。


「なぁ、亮介。」

「ん?どうかしたか?」

「──いや、なんでもない。」

「そうか。今日の生徒会サボるなよ。」

「わかっている。」


心から進と瑠奈が幸せになってほしいと思う亮介は、どうしたらいいのかと、彼女たちの進路が決まるまで悩むことになる。



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フォロワー100人到達ありがとうございます!

今後もこの四人が幸せ?になれるのかどうかわからないけれど頑張って不定期ながら書いていくのでよろしくお願いします。

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