第9話 お前、今何時だと思ってる?

場所は大きく変わり俺たち四人の家の最寄り駅近くにあるファミレスに来ていた。

ちなみに、全員が勉強道具を持って集合とのことで、一度帰宅していたので、春奈と瑠奈の二人は私服である。


(どうしてこうなった?)

(こればかりは僕にもわからないよ。)


進と亮介は互いに目で相談するのだが、お互い状況を理解しきれていない。


とにかく一旦整理しよう。


今日、春奈と瑠奈が光岬高等学校の新一年生として入学してきて衝撃の再会を果たし、そのままの流れでマックドナルドで話をしていたら生徒会の話になり、

生徒会役員になるには学力試験が重要と話したら今現在こうしてファミレスで隣で後輩たちが勉強している訳だ。


(えーっと、わかった?)

(うーん、多分?)

(俺はさっぱり。)

(まぁ進はそうだよね。)

(てか、今何時?)

(19時半くらい)

(いつまでやるのこれ?)

(さぁ?)


「センパイ?セーンパイ!」

「おわっ!」

気が付くと隣の瑠奈が不思議そうに俺の顔を覗き込んでいた。

「なっなんだ?」

「だから、この問題教えてください。」


俺たちの席の配置は、勉強教えてもらうためということで、俺と瑠奈、亮介と春奈といったセットでテーブル席に座っていた。


「あ、あぁ。展開だから───。」

「───あ、なるほど!」

しかも、とても真剣に勉強している。


「亮くん、この英文の訳し方教えて。」

「えーっと、あ、ここはね────。」

「────あ、わかった!」

向かい側の亮介と春奈も順調なようだ。


(こんだけ真面目に勉強してと・・・。)

(とてもツッコめないよね・・・。)


とりあえず、二人が満足するまでの勉強に付き合うしかないか、と諦める二人であった。

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