第21話

私が、その犬に熱いお茶を故意にかけた、と言うのは事実無根だ。最初に言っておこう。だが、結果その残って見えていた片目が失明したのは事実だ。            まず、私は母や祖母と夕御飯を食べていたが、たまに母が遅く帰ったりして、祖母と二人で食べる事も多かった。そして祖母は、私よりも早く食べ終わると席から離れる事も多かった。                普段私達はキッチンテーブルで食事を取っていたが、たまに、特に夏場は、お膳で食べた。                  食事中、私はいつも自分のガラスのコップで水を飲む。漫画のキャラクターが着いたコップだ。だが、お茶の時もあった。母や祖母がお茶を飲むから私にも入れたりして、飲む時もあった。               だが、熱いお茶では無い。かなりぬるい物だ。熱いと飲めないし、私は小さな時は猫舌だった。だが、段々とそれを直す様にされ、自分も嫌だから直す様にしたのだ。    だからこの時は、熱いと持つのも大変だし、飲めなかった。熱い食べ物も、フーフーとその度に一生懸命に吹いて食べていた。   だからこの犬にかかったのは、ぬるいお茶だ。  

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