第4話
私の昼食はいつも大体同じ様な物だったし、晩御飯は最初はやはり祖母が好きな物ばかりだった。その後はちゃんとに、他の子供達の様に、油っぽくて子供が好きなメニューが普通に出たが。 だが、おやつに関しては違った!毎日、幼児の時からそうだったが、色々な物が出た。 いつも小学校から帰ると、おやつが用意してあった。それは毎日違う物だ。おやつに関してはかなり恵まれていたと思う。 毎日、違うお菓子があった。そしてたっぷりと食べられる。果物の時もあった。その季節の旬な物も多かった。 家の近くに、今川焼きやすあまを売っていた店があったから、よくそれらが出た。みたらし団子や、あんこがついたやはり串刺しの団子や鯛焼き、大福や色々なタイプのお煎餅。たこ焼きやお好み焼きを売る店が、関東にしては珍しく、当時しばらくは近所にあり、それらもたまに食べた。又,飴やチョコレートやケーキ、カステラ、クッキーやアイスクリームだとかが出された。 当時好きだったコーンフレークも、牛乳をかけてよく食べた。又はドーナツやアップルパイだとか、正月後にはきなこ餅や磯辺巻きもよくあった。 ジュースやココアや、大好きだったコーヒー牛乳もよく一緒に出た。缶詰の果物だとパイナップルや桃やみかんだとか、後は普通にバナナやりんご、柿や梨、巨峰、枇杷、スイカやメロン等。 少し大きくなるとレモンティーとクッキーをよく食べながら好きな本を読む。これが楽しみだった。 中学位だと、確か日本にもコンビニがアメリカから上陸したので、当時はまだ珍しかったが近所にもできて、だからスナック菓子でポテトチップスだとかもよく買ってあった。 やはり中学の時に、家の近くに百円ケーキの店ができた。その時にはよく百円ケーキも出た。そこが、安すぎる為に、しばらくして潰れるまでは。 こうして沢山のお菓子や果物が浮かぶが、もっと色々とあったかもしれない…。 なので、おやつに関してはかなり種類が豊富で、たっぷりと食べられた。 夕御飯後にはデザートもよく出た。祖母が洋食や油っぽいものが好きになってからだったかもしれないが、よく出た。特に夏には私の好物のスイカや、秋には桃とか枇杷が多かった。メロンも割と出たかもしれない。百円でないケーキや、ブリンだとかゼリーもたまに出た。 昔は、プリンやゼリーは自分の家でよく作ったものだ。こうしたものは母が良く週末に作って、一緒に食べた。(コンビニがアメリカからやって来てからは、すぐにそれらが置いてあったのはよく覚えていないが、その後は今も含め、普通は皆、できているのをそうして店で買って、自分ではまず作らないのではないか?,と思う。) 祖母がこうした物を買うのが好きだったのだ。(嗜好品と言うか、メインでない食べ物を。)どれもさほど今は大した物ではなくても、昔はそうでもない物もあったし、とにかく、当たり前に良かった。そして祖母もたまに一緒に食べたりしていた。 だが、成人してから母に一度聞いたことがある。元々私はお菓子が余り好きではなかったと。甘くない、お煎餅だとかを好んだそうだ。それが祖母は凄く不満だったらしい。 私が幼児になり、普通に何か食べられる様になると、お菓子を沢山買ってきて与え始めた。だが私が嫌がり、殆ど食べない。すると悔しそうに何度も言う。 「この子、本当に凄く嫌な子だね〜!!」、「何でお菓子、食べないのよ?!せっかく買ってきてるのに。全然子供らしくないね!凄く嫌な子だよ。」 そうして怒り、不機嫌になる。それで無理矢理に与えたり、ジッと食べるのを見ている。するとある時、私は幼児なりにもその嫌な空気を察して口にしたそうだ。 それが何日か続くと、もう当たり前の様に口にして食べる。好きになったのだ。 そんな話をを聞いた。 だが母はその時に言った。 「別に嫌いなら無理にお菓子なんて食べなくても良かったんだよ。煎餅だとかそんな物の方が虫歯にならなかったんだから。」 なら、何故止めらせなかったのだろう?! できなかったのだ。働いていて普段は家にいないから、余り何かを言うと、私の面倒を見ないと言われる。ハッタリなのだが、本当にそうされると困るから。だから頭が上がらない。 そして実はかなりのマザコンの母だったから。(自分は他の兄弟よりも余り相手にされたり、可愛がられなかったみたいだ。そうすると、その親の愛情を欲するらしい。だからだ。) だがとにかく、私の子供時代のおやつはレパートリーは広く、充実していたんではないかな、と思うのだ。 何しろ、パスタなんて呼ばなくてスパゲッティと言うし、味もミートソースとナポリタン位しか普通は無かった。もっと後になるまでは。バナナなんかも12〜14本位の大きな房を、手土産に持って来たりする。そうした時代だったから。
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