第2話
何から話したら良いだろう?そう、幼児の時はいつもお昼御飯が、すいとんかお粥だった。どちらも作るのが簡単だし、材料も特に要らない。幼稚園ヘ入るまでと、通っていた時もだ。(私が行っていたのは、一応はインターナショナルの幼稚園で、そこは午前中だけだったから、昼には終り、家族が迎えに来る。だから、昼御飯は毎日家で食べていた。) すいとんは、うどん粉だとかを水に溶き、 ベタベタの白い物を造り、スプーンですくったりして小さくしてから、煮ている汁に入れる。汁は醤油味、たまに味噌汁だ。後、お粥の場合は、味噌汁に残った冷や飯を入れる。(今の様な、いつまでもご飯が温かい炊飯器は、もう少し後から登場して活躍し出す!) このご飯を入れて煮ながら、卵を1、2個入れてかき混ぜる。これにガバッと醤油を入れて又かき混ぜる。これで出来上がりだ! 味も、濃いが美味しい。味噌汁に元々入っている具の(その時に寄って違うが)、ワカメだとか大根があるから、これらと混じって割と美味しいのだ。) 大体がこれがうちの昼ご飯だった。祖母が物凄く大着で、いい加減な女だったから。作るのが面倒臭いのだ。 後はたまに、近所で買って来た魚のフライだとかコロッケのおかずだ。だから、たまにはまともな物を作ろうか?なんて思うらしく、聞いて来る。 だが殆どいつも、このすいとんか味噌汁のお粥だ。逆にこれが当たり前で普通だ。だから、いつものお粥が良いと言う。食べたいのだ。すると、「良いの〜?今日、ちゃんとに何かあるよー。だから何か作ろうかー?」と言う。 昔は、普段は皆夕方に、買い物かごを下げて材料やおかずを買いに行った。又、冷蔵庫も今よりももっと小さかった。 でも、結局は私のリクエストでいつものお粥を作る。 だが、祖母は凄く小さな事でも直ぐに怒り、叱った。とてもしつこく、執念深い人だった。だから、一寸一言口答えをしても根に持つ。そしていつまでも文句を言う。座らせて、1時間も2時間も文句を言う事も年中だった。 そして、(だから何度かあったのだが)、昼御飯を与えない。自分だけ、これみよがしに目の前で食べる。 他には誰もいない。母は朝、9時から夕方5時まで働いている。二人だけだ。後は祖母の飼い犬だけだ。だから何も食べれない。 そして、たまにそのまま連れ出して近所の家に行き、上がる。しばらくそこで座って話をする。お茶を出され、ついでにお菓子を出して私にも与えようとする。手に取ろうとすると大慌てでこう言う。 「駄目!!止めて下さい。この子、さっき家で物凄く沢山、ご飯食べたんですよ。だからそんなの食べたら、お腹壊しますから!」 するとそこの家の人は慌てて引っ込める。私に取られない様にして。幾ら、何も食べていないし空きっ腹だと言っても信じない!! そして祖母はこう言う。 「あんた、いい加減にしなさいよ?!何を嘘ついてるの?!さっきあれだけ食べたクセに。」 すると、この家の人も呆れて苦笑いだ。 「仕方ないよね、じゃあ。お腹壊したら大変だからね。我慢しなさい。」 祖母が嬉しそうに言う。 「本当に、だから困っちゃうんですよ〜。小さい子は。」 「そうですねー。」 そうして二人して笑う。又、他の話題になり、盛り上がる。私を待たせて。 やっと家に帰ると、幾ら頼んでも何もくれないで無視する。もうお腹が空きすぎて気持が悪くなり、ぐったりとして大人しくなる。 すると、「又同じ様に口答えしたら、又やってやるからね。」、と得意そうに言いながらやっと食事を出す。 この時は冷や飯と沢庵だ。この食事を出す時は、何か御馳走を出す様な、とても偉そうで、勿体ぶった態度をする…。 (最後にはボロボロになって死んだ、私の婆さんだが…。) 続く
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