異常者の祖母
Cecile
第1話
私の祖母は88歳で死んだ。(米寿というやつまで、生きた。割と長生きではなかっただろうか?)今から約20年前だ。 死んだ原因は、クモ膜下出血だった。クモ膜下出血で入院してから、何日位だろう。役2週間位だろうか。入院して、病院で亡くなった。 葬式は、親戚一同、私も含め、密葬で良いと思った。だが、母のたっての希望でそうせず、普通の葬儀にした。正直、そこまで人は来なかったから、本当は密葬で良かったのだが。 葬儀の時は、最初はそうでも無かったが、やはり悲しくなり、少し泣いた。泣くのも何故か恥ずかしい感じがしたから、余り泣かない様にしたが。(私の横に座っていた従兄弟は泣いていなかったが。) だが、その後私は3日間かけて祖母の持ち物を殆ど全て処分した。当時横浜はまだ、ゴミを分別して出さなくてもすんだ。だからどんどんと私はありとあらゆる物を捨てた。そうした事をするのは私しかいなかったから、だからということもあった。 この祖母は死ぬ何年も前から、うんと痩せ細り、(食欲旺盛だったが)、髪も当然もう染めてなく真っ白で、(もっと前は、いつも明るい茶色に染めていたが)良くベッドにゴロンと転がっていた。そして年中、あ〜あー、 なんて大あくびをしたりしていた。ハッキリ言って、まるでボロ雑巾みたいにしょぼくれて見えた。 死ぬ何年か前には目が殆ど見えなかった。そして恐らくは最後の数年間は全く見えなかった様だ。 目医者には頻繁に通い、ヘルパーや私が連れて行っていたのだが。いつも薬をもらい、さしていれば目が又普通に見える様になると、信じたいから信じていた様だ。 だがこの祖母、ハッキリ言おう。頭は悪いが狡猾な、非常に我がままな女だった。 読んでいる方、哀れに感じるかもしれない。筆者の事も冷たいとか不快に感じるかもしれない。 だが当時の、私の友人がこう言った。私も驚いたが、だが確かにそうだろうとも思った。彼女はこう言った。 「だって、そんなにボロボロになったのも、バチが当たったんだよ。そうでなければあんまりだもんね。それこそ、神様なんていない様なもんだからね。」 別に彼女は宗教の信者ではない。日本人に多いと言う無神論者だ。 私もそうだ。何か不思議な力はある、あるんだろう?となんとなくは思うが。 続く…
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