### 絶対孤独の魔女によるモノローグ


彼から頼みごとをされるのは

意外なことだった。


内容は察しの通りだった。

異変の予兆はあったから。

どこのセカイも

いつまでも夏が続くことはない。


選択肢は2つ。


一つは、

彼女を

言い包めて

こちらの流儀に染まってもらう。


一つは、

彼女を

言い包めて

セカイから排除する。


前者を

選びたいところだけれど、

相手が相手。


相当に難しい。


実際に

会うと

想定以上に厄介だった。


日が沈むまでに片を付けなければ、

身内に被害が出る。


彼女の望みが変わらないなら、

僅かな可能性の

道を進んでもらう外ない。

それ以外に、

私達が生き残る手段はないだろう。


理解者を

求めることが期待できない

全知なるセカイの守護者とは

全く辛い役回りである。


ひょっとして、

ひょっとしたら、

彼女は彼女のまま幸せになれるかもしれない。

今のセカイを守った上で。


絶望していては

敗北の未来しか見えなくなる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る