### イザナミの嘘のためにある必要な性描写

期待していた

人生最高の絶頂を

奪われて、

わたしは

少しだけ

意地悪を言いたくなった。


「そんなところ汚いよ。

 うんこみたいな

 マッチョ男に、

 昨日、

 精液、

 ぶちまけられた場所だよ。」


こんなことを

言うつもりはなかった。

口から出た言葉から

忘れかけていた

絶望が

わたしの

全存在に

突き付けられた。


いつだって

本当にわたしを傷つけるのは

わたしなのだ。

こんな時にも。

この人のことが好きなのに。


「名子ちゃんはどこも何も汚れてないよ。

 汚れているというなら全部舐め取るから。」


劣等生物の摂食器官に

慈愛に満ちた

丁寧な拭き払いという

高等機能が示されると、

悔しくなって悔しくなって

泣きたくなった。


きっとわたしより彼の方が

愛している。

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