### 黄昏の前の一時

ほんの数秒

ほんの少しだけ

明後日の方を見ていたら

もう彼は視界にいなかった。


理由は解かっていた。

自分のドリンクを

自分で注いで

自分の席で自分のドリンクを飲むことが

この小さなセカイのシステムだからだ。

彼も同じセカイの別の住人だからだ。


カフェラテを飲むのは止めにして

紅茶を、いや、ローズヒップティーを

飲もう。

気持ちを黄昏の方向に持っていきたい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る