### 黄昏を越える祝詞
黄昏ながら
時折、彼に目をやる。
考え事をしながら
一生懸命に何かを書いている。
見た目も行動も変わった人。
話しかけてみたい。
何を書いているのだろうかと
少し気になる。
それだけのこと。
そうだ。
何を書いているのかを
聞くくらいのことなら、
きっと問題ないだろう。
あんな目立つ格好をして
こんなところで書いている
あの人が悪い。
ここまできたら、
書いているタイミングか
考え事をしている瞬間か
それが問題だ。
真剣に考えていたら、
カップが空だ。
唇を噛んだまま、
席を立って
冷たい野菜ジュースを
選択して
席に戻る。
煙草から
昇りたゆたう煙の行方に
黄昏ているだけの
彼がいた。
「何を書いてるんですか?」
きっと
無垢な美少女のように
すごく
自然に聞けた。
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