第29話楽しくてうれしい
地盤を固めるドラムだけでなく、ベースがそろい、放課後や時々の昼練がさらに楽しくなった。私はベースの魅力をあまり知らなかったけど、加わって私たちのバンドが魅力的になったのが分かる。音が、生きてくる。雅人くんが、明日香さんのドラムをリードする。私のキーボードが、メロディを奏でる。
悟くんが歌って、私も声を重ねる。
私がやりたかったバンドがここにあった。
「クリスマスバンドには何を演奏しようか?」
「何でもいいけど、俺を信じて演奏すれば最高になるぜ」
雅人くんは少し調子に乗ることが多い。彼は確かに信頼できるベーシストだけど。悟くんは、話した。
「田口先生に話して体育館を借りよう。そこで演奏しよう。クリスマスならではの曲を作るよ。僕たちの、僕たちだけのメンバーで最高の演奏をしよう」
「優子の望みもあるだろ。クリスマスライブが成功したら街で路上ライブしようぜ。俺たち最近ノってるだろ」
明日香さんや悟くんも、最近いい感じ。音楽ができて、毎日充実してて、もちろんみんなに協力してもらって、勉強もしてる。
「私は、みんなと楽しみたい。やってみよう」
夢のクリスマスライブが待っている。クリスマスを表す曲はたくさんあるし、似たような曲もあるはず。それでも自分たちで曲を作りたかった。私たちだけのバンドで演奏するために。
みんなにに手紙で伝えたことは、私たちもプロを目指していること。レモン・スカッシュが元でできたバンド、クリーム・ソーダも、学生のお遊びでなく本格的に演奏する。芽が開くかは分からないし、大学に行ったり専門を極めたい人もいるだろう。可能な範囲で一緒に演奏して、オーディションを受ける。
私たちは、プロを目指す!
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