第6話 遠藤修平4

「君たちの目的はなんだ?、これを二人でや

ったのか?」


 ふいに声をかけられた方を見ると、姿を消

したはずの警察関係者と思われるスーツ姿の

二人組が立っていた。


「そうですが、あなたたちはいったい?」


「私たちは政府関係者だ。君たちは高校生か

何かか?」


「善良な一般高校生ですよ。」


 到底善良でも一般でもなかった。


「まさかな。自分で言っていて恥ずかしくは

ないか?まあいい。この件から手を引いてく

れないか。引いてくれるのなら今回の件は大

目に見よう。」


「あなたは何を言っているのですか?俺たち

は仲間をヤラれたんだ、はいそうですか、と

引き下がれるわけないだろう。」


「その君の仲間はどうやら意識が戻ったよう

だが、行かなくていいのか?」


「それ、ホントか、高弥、病院に戻るぞ。」


「ちょっと待ってくれたまえ、さっきの返事

はどうなんだ?」


「返事って、なんだよ。」


「この件から手を引くという我々からの提案

のことだよ。」


「提案、じゃなくて脅しだろうがよ。大人が

子供に嘘をついたりすると安くみられるぜ。

返事は当然、NOだ!」


 そういい捨てると修平は高弥を乗せて病院

へと戻った。残された二人はまだ何かを叫ん

でいたが無視だ。


 病院に戻るとなんだかみんな慌てているよ

うだった。桜井亮太の担当看護師を見つけた

のですぐにきいてみた。


「亮太が意識を取り戻したんだって?」


「ああ、君たちか、そうなんだ、彼は意識を

取り戻したんだけど、そのあとすぐに行方不

明になってしまったんだ。総出で探している

ところなんだが、まだ見つからない。彼の行

きそうな所に心当たりはないかい?」


 修平も高弥も亮太の行きそうな場所どころ

か住んでいるところも知らなかった。ベース

に戻っている渉たちに連絡を取ったが、ベー

スにも戻っていなかった。一人自宅に戻って

いる信一は電話に出なかった。信一も行方不

明になってしまったのだろうか。


「仕方ない、一旦俺たちもベースに戻ろう。」


 二人がベースに戻るとさっきの二人組が先

回りしていた。色々と調べは着いているよう

だ。渉と祐作は粘着テープで拘束されていた

が、とりあえず無事のようだ。


「手荒な真似はしたくないんだ、穏便に話を

進めようじゃないか。」


「わかったから、その二人は開放してくれ。」


「当然だ。話をしに来ただけ、と言っても彼

らが信用してくれずに少し抵抗されたのでや

むを得ず拘束したが、本意ではない。」


 そういってすぐに二人は解放された。


「それで、何から話せばいいんだ。その前に

あんたたちの素性を明かしてもらおうか。」


 腹を据えて二人と話をすることにした修平

だった。高弥は何も言わないが同意している

ようだ。

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