第4話 笑美ちゃん

「ありがとう」と書いたメモ帳を見せてくれた次の日、笑美ちゃんは学校に来なかった。

理由は平野くんの虐めが原因で北海道の実家に転校してしまったのだ。

本格的に私は1人になってしまったのだ。


でも優は思ったのだ。

「笑美ちゃんが転校先で元気にしてくれるならそれでいいや」


だが、その一週間後転校生がやってきた。


転校生の名前は原田一輝(はらだ かずてる)。

私は一輝くんと席が隣になったが一輝くんの教科書はまだ届かないとのことで北川先生に「優ちゃん、原田くん教科書まだ届かないから暫く席をくっ付けて見せてあげて」と言われたのだ。


私は正直「私とまた関わる子ができたら笑美ちゃんみたいになるのではないか」と思って居たので心内では一輝くんに教科書を見せたくなかったのだ


だが、授業ができないんじゃ意味がない。

そもそも教員室には必ず1教科につき2冊教員用の教科書が配布されている筈なのにどうして北川先生は貸してやらないんだとすら思った。


そんなこんなを思いつつも優は一輝くんに教科書を見せて居たのであった。

一輝くんは最初こそ無口であまり関わりたくなかったがとあるアニメ、「こうてい◯◯ギン」が好き同士で話が合い仲良くなった。


その日を境に色々話す様になり分かった方は近所に引っ越してきた子だった事。

一輝くんも前の学校でいじめられて居た事。

私は私と同じ境遇だった子なんだと思い笑美ちゃんじゃないけど守らなきゃ。と思ったのだろう。


一輝くんと常に一緒に行動して居たのだ。

そんなある日、平野くんが一輝くんに言った平野くん「おい、原田」

一輝くん「どうしたの、平野くん」

平野くん「お前あまり朝山と関わんなよ」

一輝くん「なんで?」

平野くん「原田は転校生だから知らないだろうけどな、朝山にはな朝山菌がついてんだよ笑」

一輝くん「朝山菌?なにそれ?」

平野くん「朝山がばい菌だらけってことだ!黴菌うつるぞ〜」

一輝「……」


こんな事を折角仲良くなった一輝くんに言うなんて酷い!とも思ったが優は笑美ちゃんの二の舞に一輝くんがなってしまうと思いそれ以来避ける様になった。

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