第52話 決闘

「…私も一応銅級なんですけどね…、なら決闘でもします?」

一応タグを見せ銅級だということをアピールしながら聞いてみる。


「…お前もどうせイカサマしてるんだろう?全くハンターギルドは管理がなってない!」

えーさすがに酷くない?


「いいだろう!剣を構えろ!」

腰に帯刀していた刀を抜き構える。


「リリスは魔術師だけどいいの?」


「は!こんな若い「ボンッ!!」いる…わけ…」

証拠に魔法を地面で炸裂させる。


「け、剣だ!剣で勝負だ!」

…小者過ぎるぞクロード。


「魔術師の女の子相手に剣で勝負とか無いわ…」

セレスが思いっきり引いている。


「う、うるさい!で、どうだ?できないなら逃げてもいいんだぞ?」

…言ってて恥ずかしくないのかこいつ…


「別にいいわよ」

ストレージに杖をしまう。


「え?リリス剣も使えるの?」


「ん?スキルは使えないけどこの程度の小者にいらないでしょ?」


「こ、小者だと!?」


「で?ルールは降参か気絶したら負けでいい?殺さないようには気を付けるけど死んだら負けね」


「ま、魔法は無しだぞ!」

そういうところが小者なんだって…


「ええ、それでいいわ、ただし私が勝ったら私達に2度と絡まないでね」


「俺が勝ったら俺と結婚しろ!」


「…いいわよそれで皆さん聞きましたね?」

周りの人達はうなずく。


「では始めましょうか…」

少し下がりセリアで使っている両手剣を取り出す。


「な、なんだその剣はどっから出した!?」

いきなり身の丈ほどの両手剣が出てきたらそれは驚くだろうがしったこっちゃ無い。


「クレア開始の合図お願い」


「始め!!」


リリスは縮地は無いので普通に走るだけだがクロードは目がついてこれないようだ。


「な!どこに!?」

側面に回り込み剣の腹の部分で思いっきり殴り飛ばす。


「グハッ!」

その飛んでいった方向に回り込むとさらに殴り付ける。


「ギャッ!!」

そしてまた回り込み…と悲鳴が聞こえなくなるまで繰り返した。


「トドメ!」

と最後は地面に叩きつけた。


「…勝者リリス!」

周りは静まり返っている。自分達の中で一番とは言えないがそれなりに上位の男が手も足も出せずに女の子にいいようにされて一方的に惨敗したのだからわからないでも無いが。


「…そいつ放っておいたら死ぬよ?」

というセレスの一言でようやく動き出した。


「…リリスあの技なに?」


「ん?技じゃないよ?ただ殴って回り込むっていうのを繰り返しただけ」

…まあ格ゲーの空中嵌めコンボみたいになったけど。


「私にもできる?」


「んー?縮地覚えればできなくは無いと思うけど…」


「縮地?…最初に会った時に使ってた奴?」

そういえばユウトの時に使ってたか?


「まあ取得できるのはまだまだ先だけどね」

縮地はスキルレベル3でツリー開放の為にはレベル100以上で今はまだ無理なのである。


「そう…」

セレスは片手剣だけでもう片方サブウェポンは装備して無かったな…


「セレスはサブウェポンは使わないの?」


「…ん…どれもしっくりこない…」

聞いてみると盾や短剣、拳なども試したがどれもぱっとしなかったらしい。


「…ふむ。ならこれ使ってみる?」

セレスに取り出した腕輪を見せる。


「腕輪?」


「腕輪型の魔法発動媒体使おうと思えばセレスでも魔法も使える…」


「!私も魔法を!!」


「けど威力はでないから目眩まし程度しかできない」

魔法が使えると聞いてテンションが上がるが威力が出ないと聞くとすぐに下がる。


「だから奨めるのは魔法じゃなくて


「魔法…剣」

普段の眠たそうな目がキラキラと輝いていた。


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