第53話 黒獅子襲来

「魔法剣は…」

セレスに教えようとしたが今使えるキャラがいない事に気がついた。


「まあ、後でセリアで覚えさせるか…」



「二人とも村での用事は終わったの?」


「うん、私には婚約者いないし」

「私は今片付いたからもう用は無い」


「ここまで来たついでにマリオームにも寄っていこうよ」


「マリオーム?」


「ここから西に少し行った所にある港町よ。」


「へー」

行ける範囲は広げておいた方がいいか。


「よし行こう!」

次の目的地はマリオームに決まった。







「キャラ変更セリア」

村から少し離れた場所でキャラ変更を使用する。


「スキルポイントは……無い?」

…そういえばセリアで1体も魔物を倒して無かったからレベルが上がってない…どうしよう?


「…ん?なんか変な叫び声がしない?」


「え?」


南の方角から慌ただしい音と獣の叫び声のようなものがした。

身構えると森の中から馬に乗りフードを被った人が通りすぎて行き、後から3メートルほどの大きさの黒い獅子がやって来た。


「ちょっと!」

セレスが声をかけるもフードの人物はそのまま逃げて行き…私たちの前に黒い獅子だけが残った。


「あんにゃろう…押し付けていきやがった!」


まあ、ゲームの時も無言での押し付け、擦り付けは、マナー違反だけど…今回はちょうどいい。


…いただきます」

去っていった背中に手を合わせる。ちょうどいいボス経験値を連れてきてくれてありがとう。


「≪ソニックブレード≫!」

すれ違い様に足を切り落とし


「≪アースシェイク≫!!」

動けなくなったところを叩き伏せる。





お、流石ボスレベルが22なった!


「リリス…強すぎ…」


「ん?」


「私たちの出番は…」


今回はセリアのレベル上げが優先です。


「あ、セレス魔法剣教えられるようになったけどどうする?」


「是非!」


「え!魔法剣って何!?何の話!?」

クレアに魔法剣の説明をすると…


「私も覚える!」

と騒ぐがそもそもクレアは剣は使わない上に

もう弓と短剣でスタイルが確立しているので無意味だと説明するとこの世の終わり位にうちひしがれていたので…

「クレアは後で短剣術と魔法を少し教えてあげるわよ…」

魔法発動体を使わないと威力や発動時間にデメリットが出るが弓を使うならある程度牽制には使えるだろう。


このあとまた習性でステフリをして動けなくなりセリアリリスが二人にスキルを指導するのは次の日になった。








王都の一室にて


「…いない?」

豪華な一室の主が部下からの報告を聞き作業を一時止め顔を上げる。


「はい。昨晩メイドが目撃したのが最後らしく朝声をかけた時にはもういなかったとの事で…」



「…まさかアイツが逃げ出すとはな…そこまでとの結婚は嫌だったのか…」

目を伏せため息をつく。


「…確かに腕はたちますが女癖の悪さは…」

そこまで言って顔をしかめる部下。


「仕方ない…姫は床に臥せっていると勇者には伝えておけ。あと捜索隊を編成させろ…なるべくアイツと仲がいいやつを選んでな…」

最後の一言を発するときだけ少し顔を崩すがすぐに戻す。


「…はい」

部下はを理解し苦笑いを浮かべるのであった。

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