第50話 スキルアップと新装備を渡した結果…
「………二人とも何か言いたいことはある?」
森の…いや森だった場所で二人の女の子が地面に正座させられている。
「「…申し訳ありませんでした!」」
二人…クレアとセレスはその場に土下座した。
「……新しい事ができて楽しいのもわかるし、新装備でテンション上がるのもわかるけど…いくらなんでもこれはやり過ぎだと思わない?」
「「申し開きもありません…」」
時間を遡ること約30分前、マイルームに置きっぱなしだった二人の為に作った武器をクレアが見つけた事から始まった。
「これがリリスの作った弓!?」
弓を抱えながらキラキラとした目で見つめてくる。
正直今の二人にはちょっと強すぎかな~って思って渡す決心がつかなかったがそんな目で見られては断る事ができなかった。
「…一応」
「わ~あ~」
喜んでいる二人を眺めながらまあそんなに喜んでくれるならいいか…と思っていた。
「ねえ!ねえ!早くこれ試したい!!」
とクレアが騒ぐので朝食を軽く済ませると村へとの移動を再開した。
平原に魔物の姿はなく「これじゃあ試せない!!」とごねるので北側の森林地帯を通る事になった。
「いた!」
そこにいたのは狼ぽい姿をした魔物の群れゲームにはいなかった気がする。
「ダイアウルフ!いくわよ!<フレイムショット>」
<フレイムショット>
弓スキル
火属性を付与した矢を放つ。
「ちょ!ここ森の中…」
止めようとした時にはすでに遅くダイアウルフを貫いた炎の矢は大木を貫通し2本ほどなぎ倒すと停止近くの草木を燃やし始めた。
「次!私!!<ソニックブレード>!」
<ソニックブレード>
ブレードスキル
敵に突進し、衝撃でターゲットまでの直線範囲にダメージを与える。
ダイアウルフが2.3匹まとめて吹き飛び…近くにあった木々も破砕する。
「ちょっと!二人とも!周りを見て!」
二人とも敵しか見えておらず私の叫び声は届かなかった。
結果…延焼はなんとか防いだものの森は所々焼け焦げ、地面は抉れ、倒木があちらこちらに転がっていた。
「…私何回も止めたのに」
少し拗ねて見せると二人ともそろって
「「すみませんでした!!」」
と頭を下げるが…武器を手放そうとはしなかった。
「…次無視したら取り上げるからね?」
「「了解しました!!リリス様!!!」」
起立すると敬礼のポーズをとる二人。
この二人にはまだ早かったかな…と少し反省した。
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