第40話 銅級昇格試験その2三度目の初めまして
ちょうど調査に出ていたハンターが帰ってきたとかで二日後が試験の日となった。
その二日も二人の特訓ですぐに過ぎてしまった。
「さ、さ、さ、い、い、い、く、くよ、ふ、ふた、二人とも」
クレアちょっと緊張しすぎ…
「ク、クレ、クレア、き、きん、緊張、しすぎよ…」
セレスも…
「パンッ!」
とわざと音をたてて手を叩く。
「「な!?」」
二人は驚いてこちらを見る。
「お、ち、つ、け!」
「「はい…」」
「安心しなさいあなた達は銅級程度には負けないから!…そもそもゴブリン素手で一撃の奴が銅級になれないわけ無いでしょ?」
「え、ええ…でも…」
「…逆に相手の心配する域だってことを自覚しなさい」
「う、うん」
あんまり自信過剰になられても困るが無さすぎるのはもっと困る。
「さあ!行くよ!」
まだ動きが硬い二人を押しながらギルドへとと向かった。
ギルドに入ると見知った二人が居た。
「あ、ニ…レオン君!」
…あぶな!リリスの時はニキーと面識無かった!
「あ、リリス姉ちゃん!セレス姉ちゃん!クレア姉ちゃん!」
私の声に気がつくとこちらに寄ってきた。
「こいつらがお前の言ってた師匠か?」
その後をニキーがついてくる。
「師匠はリリス姉ちゃんの従魔なんだよ!」
「おいで〈ゴブ蔵〉!」
「アニキ!この方が師匠なんだ!」
「…ゴブリン?だがなんだこの迫力は…」
「ゴブゴブ(ほう…主には及ばないが中々じゃないか)」
「え?リリス姉ちゃんってそんなに強いの?」
「ゴブゴブ!ゴフゴフ(当たり前だ!我なんぞ足元にも及ばんわ)」
「へー!!」
キラキラとした目でこっちを見ている。
「お前ら…何言ってるかわかるのか?」
クレアとセレスは首を横に振っている。
…主人と亜人には通じるのかな?
「リリス様クレアさんセレスさん試験会場に案内しますのでこちらへ」
アニタに促されカウンターの近くに移動する。後ろからニキーが「なんで一人だけ様なんだ?」と言っている。
…町に居なかったから知らないんだね。
ギルドの裏手から地下へと案内された。
そこにはボクシングのリングぐらいの舞台があり周りには少ないが観客席のようなものがある。
「…なんで試験なのに観客がいるんだ?」
みんな暇なのか!?
「娯楽として来ている人も居ますが下見という意味で来ている方も多いですよ」
なるほど…銅級からは指名依頼があるとか言ってたもんな。
向かい側にニキーと見知らぬ女性と男性が並んでいる。恐らく対戦相手だろう。
「ではこれより、銅級昇格試験を開始します!」
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