第32話リリス(ユウト)家を買う

リリスは森でクレアとセレス(たまにレオン)を鍛えながら二週間がたった。


「おめでとうございます!銅級昇格の資格を得ました!」

受付嬢がパチパチと手を叩いて祝福してくれた。


「昇格の資格?」

ポイントを達成したら昇格するんじゃないの?


「白と黒はあくまで見習いなので銅級に上がるには試験と拠点の登録が必要となります。」


「…拠点の登録ってギルドに縛られるということですか?」


「強制的な依頼というものはありませんが…まず銅級から指名依頼というものがあります。近くで何か問題が発生した場合も声を掛けさせてもらうという時がございます。その際連絡手段が必要なのです。」


「試験というのは?」


「現役銅級ハンターとの模擬戦です。勿論資質を見るだけなので負けて問題はありません」

そっちは問題なさそうだな。


「昇格試験を受けますか?」

三人は少し困った顔をする。


三人はマイルームに住んでいるからこの町に拠点が無いのだ。


「少し準備をするので待って欲しい」


「構いませんよ。受ける場合は申請して下さい。申請後二、三日で受ける事ができます」


ギルドから出てきてクレアが口を開く。

「リリス…どうしよう?」


「クレア…もう少し自分で考えたら…?」

セレスは呆れている。


「むー!セレスはどうなのよ!」


「どこがで宿をとって登録すれば?」

確かにそれでも一応昇格試験を受けられるだろうけど…


「ほとんど宿に居ない事を不審に思われないかな?」

ほとんど森で生活しているので宿に戻ることは皆無なのだ。


「…確かに…」


「…よし!家を買おう!」


「「へ?」」

リリスの提案に唖然とする二人だった。

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