第18話 アニタの正体と決定
「はぁ~ギルドでそんなことがあったのか…道理で昨日行った時やたらと静かだったと思った。」
昨日ギルドであった事を二人に話すと何か思い当たる事があるのかうんうんうなずいている。
ちなみにパーティー名についてはとりあえず保留ということにした。
「まあ~
何か刺がある言い方に少し引っ掛かる。
「?」
「リリスはこの町に来たばかりだから知らないだろうけどアニタさんは領主の娘なのよ」
「え!?領主の娘がギルドで受付嬢やってるの?」
思わず聞き返す。
「娘っていっても3女だし正妻の娘でも無いからね」
…なんか嫌ってる感がひしひしする。
「領主が認知してるからって我が儘放題…受付嬢になって少し大人しくなったと言われてるけど女ハンターの扱い悪いし…」
…酷い奴だなアニタ…
「男を手玉にとって優越感に浸るのが趣味とか言ってたみたいよ」
なんかゴシップみたいになってるけど多分事実だな。
「まあ全部食堂のオバチャンに聞いたんだけどね~私たちまだ一月位前に来たばっかりだし」
ゴシップどころか世間話か!
一方領主邸
「領主様報告に上がっていた森の狼が討伐されたそうです。」
「おお!そうか…これで懸念が一つ消えたな」
「はい、ドラゴンの方は山に戦闘の痕跡があったので何者かが戦ったようですが…」
「そちらはもう少し警戒をさせよう…楽観視して町に被害が出てはかなわん」
「御意」
「あと…」
秘書が言い淀む。
「?どうした?」
「先程の狼を討伐をされた方なのですが…」
意を決して語り始める。
「銀狼族の方だったそうなんです…」
「なんと!」
思わず立ち上がるエリック。
「早く迎える準備を!今夜にでも晩餐会を!」
「…それがですね…ハンターギルドの受付嬢が機嫌を損ねたとかで行方不明に…」
「なんだと!」
さっきまでの嬉々とした声が一転、怒りに変わる。
「どこのどいつだそんなことをする馬鹿…」
そこまで言って思い当たる娘を思い出す。
「まさか…」
「はい…アニタ様です。」
「…今回ばかりは庇いきれん」
「では…」
「アイツ…アニタはアールゼン家より追放する!」
ユウトの銀狼族騒ぎが思いもよらない結末を招いたのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます