第10話見た目装備とリミッター

レオンが依頼の報告をしている間に出ている依頼を眺めているとあることに気がつきた。

それは…


モンスター討伐の報酬が軒並み格上げされているという事である。


まあ採集に比べれば命の危険が多い分報酬が高くなるのはわかるが…


「ゴブリン5体で2500マーニって…」

ゲームの時は特定のドロップ15個集めて1000マーニだったのに…


ゴブリンがゲームと同じレベルなら5体ぐらい一撃で終わる。


「これ受けたいんだが?」


「あ、はい!ではライセンスを」

受付の娘が依頼書とライセンスを受け取り端末に打ち込んでいく。


「これは5体以上倒したらどうなるんだ?」


「これは常設依頼なので一体につき500マーニづつ加算していきますよ」


なるほど最低5体と言うことか。


「はい完了です。討伐証明にゴブリンの牙を納品して下さい。」


「わかった。」


「ニキーたちはどうするんだ?」


「山に入れないからな、まだレオンを連れては森には入れないし町でしばらく休業だな。」


「そうか色々助かった。」

お礼をいってニキーたちと別れ門へと向かう。


「依頼かい?」

門番が首にあるタグに気がついたのか声をかけてきた。


「ああ、ゴブリン退治にな…そういえばゴブリンがいる森ってどっちだ?」


「おいおい土地勘無いならそのぐらい聞いとかないと駄目だろ…」

…うっ言い返せない…


「ここの道を真っ直ぐ行くと二股に分かれるからそこを右後は真っ直ぐだ」


「わかった。」


「あ、あとゴブリンの他に緑色のオオカミが出るとか噂があるから気を付けろよ」


「ああ、ありがとう」


なかなかいい人みたいだなこの人。


言われた通りに道を進むと30分程で森へと到着した。


「さてとゴブリンは…」


流石に直ぐに見つかるわけないよな…


「キャー!!」


「…」

なんか地雷フラグ踏んだか?


悲鳴の方向に向かうと女の子の二人組がゴブリンに追いかけられていた。


「…白か?」

勿論タグの色の話である。


逃げる早さと追いかける早さが拮抗しており付かず離れずを繰り返していた。


このまま助けようかと思ったがふと足を止める。


「この武器とステータスだと目立つよな…」

今装備している武器はイベントで手に入れた現時点で最強の両手剣ラグナロク…プレイヤー側が最大レベル150の時点でレベル500という飛んでもないレベル差のボスしかも一定範囲外に出ると即ゲームオーバーというとんでもイベントで極たまに落とす武器シリーズの内の一本。

その苦労に見合う性能を持っているが白タグのハンターが持ってるという話が出回ったら面倒事が起きそう…


それにステータスも問題だ。

両手剣に依存するSTRとDEXがどっちも限界突破している。

下手したらあの子達ごと一振りで切り裂くだろう…


「なにか無かったかな…」

倉庫を漁っていると丁度よさそうなアイテムを見つける。


<猫の手>

猫の肉球型の両手剣

ATK半減攻撃速度二倍


<ネコミミフード>

ATK MAG25%down MP+500


…なんかネコづくしのイベントの時のアイテムだったかな

これをベースに…


「おっとキャラ変更<リース>」

リース

緑色の長髪の女の子

調合、装備の強化を主とする裏方キャラである。


「まず適当な武器を…」

<バスターソード>と<猫の手>

で合成をポチッと


ジャジャジャーン♪

と音が鳴ったかと思うとバスターソードが出てくる。

<バスターソード>

ATK半減攻撃速度二倍


これは見た目合成といって見た目に拘るユーザーの為の機能である。

…攻略には無意味だが


<皮のブレスレット>と<猫ミミフード>

でポチッと


ジャジャジャーン♪


この音は周りに聞こえて無いよな?


「これで元と同じぐらいの力にはなったな」

攻撃速度上がってるけど…


「さてと行くか!」



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