第9話なんか知らん人種にされた…

目立たないようにと被っていたフードを外し顔を見せる。


「俺はユウト、ハンターの登録に来たのだが…」


「「「…!」」」


三人が固まっている。

やっぱり目立つよな…

助人の外見は浅黒い肌に白銀の長髪それだけでも目立つのだがなにより頭に犬耳が付いているのだ。


「銀狼族…」

…ギンロウゾク?


「まさか…現存していたなんて…」


…いえただの犬耳(飾り)付きの人族ですが?


「すげぇ!本物だ!」

レオンは興奮している。

いや君も犬耳付いてるじゃん!たいして変わんないよ!


「…登録したいんだが…」


「は、はい!こちらに名前をお願いします!」

受付の娘が慌てたように書類を取りだした。


「えーと何々…」

ハンター規約

第1条

人の物を盗らない


…は?

いや当たり前でしょうそれ…


第2条

依頼を失敗した場合、キャンセルした場合違約金を支払う事


ふむふむ


第3条

ギルド内での争いは禁止場合によっては資格の剥奪もあり得ます。


以上の事を遵守することを誓います。

名前


…少なっ!


いいのこれで?


さらさらと名前を書いて渡す。


「規約ってこれだけでいいのか?」

思わず聞いてしまった。


「…あまり多く作っても監視できる訳では無いですからね…」


規約ってなんだろう…


「少々お待ちを…」

カウンターの向こうでカタカタとキーボードを叩くような音が聞こえる。


この世界パソコンとかあるのか…?


「登録完了しました!こちらをどうぞ!」

白いタグのついたネックレスのような物を渡された。


「これは?」


「それがハンターライセンスです」

ハンターライセンス?身分証って事か?


「これには依頼の成功失敗が記録されます。」

ほう…中々ハイテク…


「ある一定量の依頼をクリアされますと昇格となりましてタグの色が変わります。」

ふむふむ


「見習いの白、いっぱしの黒をへて銅級、銀級、金級、白金級となります。」


「ちなみにニキーさんは銅級でレオン君は白ですね。」

そんな個人情報漏らしていいのか?


そんなことを考えながらタグを見ていると裏に何か書かれている事に気がついた。


「え?」

ユウト

11290141

銀狼族


…だから銀狼族じゃないって。

それに番号が違う?


「この番号は?」


「それはハンターIDですね」


「…?門で調べたのとは違うのか?」


「あれは生体番号ですね」

生体番号?


「生体番号は生まれたときに登録される番号ですので全くの別物ですよ」

マイナンバーみたいな扱いか。


「…そっちで管理した方がいいんじゃないか?」


「あれは国で管理しているもので民間では会計以外に使用許可が出ないんですよ…」


…なるほど


「金級以上になると国でも色々融通してくれるようになるので頑張って下さい!」


ん?ID参照されないなら別のキャラでも登録できるのか?


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