蛍狩り
先日、リュウとユヅを連れて実家に帰省した。残業続きで多忙な中、帰省したのには訳がある。この時期、実家では蛍が見られるのだ。都会っ子の我が子に、本物の蛍を見せてやりたい。これまではコロナもあり帰省を控えていたが、今年こそ!!(*´∀`*)
さて、私の実家は隣県にある。コンビニも潰れてしまう田舎なのだが、最近Aコープ(農協のスーパー)まで潰れたと聞いて驚いた。少子高齢化+過疎化が進む中、後継ぎの弟夫婦は頑張って、3人の子どもの子育て中だ。小3のユウくん、年長のカイくん、2歳のりんちゃん。個性豊かな三きょうだいが、今回も賑やかに出迎えてくれた。
真ん中のカイくんは、くりくり目玉にイガグリ頭、一時もじっとしていないヤンチャ坊主だ。かつての弟そっくりなのだが、現在父親になった弟が「暴れるな!」とカイくんを叱る様は、何度見ても可笑しい。
末っ子のリンちゃんは、2歳と思えないお喋り上手。ところかまわずボールを投げまくるカイくんに、「リンちゃんに当たるでしょう! 危ないよ」と注意するのには驚いた。夕飯ではお兄ちゃん達に負けずにイカの刺し身をパクついており、第3子の逞しさを見せつけられた。
私が密かに注目しているのが、長男のユウくん。ユウくんは、恐竜博士だ。何冊も図鑑を読み込み、恐竜の進化系統まで頭に入っている。ヤクルトの容器や紙粘土を駆使して恐竜の模型まで作っているが、ユウくんの恐竜は、赤や青でカラフルに着色されている。ユウくんの世界では、彩り豊かな恐竜達が躍動しているのだろう。去年の担任の先生からは「決められた色で塗りなさい」と注意されたらしいのだけど、勿体無い話だと思う。今も、自由に創作しているユウくんの将来を、私はすごく楽しみにしている。
さて、5人のこどもに揉みくちゃにされるうち、気付けば夜8時。蛍が出てくる頃合いだ。昔は近所の川にいたのだけれど、今は数が少なくなり、車で少し行った先で見ているとのこと。車に乗り込もうとすると、カイくんがついてきた。
母、私、カイくん、リュウ、ユヅの5人で出発!
田んぼが広がる田舎道の先に、目的の川はあった。道の脇に車を停め、降りようとするとリュウが叫んだ。
「路駐!? 犯罪だ、捕まるよ!!」
私が日頃、路駐車に向かって「邪魔だ! 通れないじゃん!」と毒づいているせいか、母が当然のように路駐したのが衝撃だった様子(@_@;)
しかし、辺りに人影は無く、ここに来るまで一台も車とすれ違っていない。「邪魔にならないから大丈夫」と宥めていると、ユヅの悲鳴。
「暗い! 怖い!! もう帰る!!」
見れば、ユヅは半べそ状態。街灯も無い田舎の真っ暗な夜に衝撃を受けた様子(@_@;) 車のライトをつけても、顔を覆って震えている。仕方なく私がユヅと車に残り、他の3人で蛍を見に行ったものの、リュウはすぐ車に戻ってきた。感想は「蛍、いた」のみ。路駐していることの方が気になるらしい……(^_^;)
せっかくなので母と交代し、私もパッと蛍見物。川面にほわほわと、淡い光が舞っている。ピークを過ぎて数えるほどしかいないものの、まだ蛍がいることにホッとした。昔、家族で蛍狩りをした記憶が過る。川一面に舞う光に、みんなで歓声を上げた。
リュウとユヅにもそんな思い出を残したかったのだけれど……路駐と暗闇の恐怖しか残らんのだろうな(-_-;)
車を発進させて帰路につくと、リュウもユヅもホッとした様子。「怖かった!」と騒ぐ二人に、カイ君が神妙に一言。
「僕も、ちょっとオバケ見たかも……」
カイ君まで、怖くなっちゃったんだ(*´艸`*)
ミステリーツアーと化してしまった蛍狩り。来年またリベンジしたい、母なのでした(*´∀`*)
(でも「怖いから行かない」って言いそう💦)
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