七歳誕生日

 今日は、息子の七歳の誕生日。


 張り切っていつもより30分早く起床した息子。


 「あれ? 僕、なんか……大きくなってる!」


 いや? (ヾノ・∀・`)ナイナイ


 廊下の暗闇を見つめ、重々しく。


 「七歳になったから、一人でトイレに行く……!」


 説明しよう!

 リュウは最近買ったポケモン図鑑で読んだ「マシェード」に怯えており、一人でトイレに行けなくなっていたのだ!

 マシェードはキノコみたいなポケモンで、怪しい光で敵を誘き寄せ眠らせてしまう。「真夜中にマシェードに出会うと、森から帰れなくなる」の一文にリュウはビビりあがってしまったんだよ!


 「僕の手持ちのエースバンならマシェードを一発で倒せるはず! 僕、トイレに行く!」


 見事、ミッションクリア!

 これで廊下で凍えながらリュウに付き合わされずに済む( ;∀;)


 朝食を食べながら、リュウは笑顔。


 「今日は学校終わったら、ポケモンセンターにプレゼント買いに行くんだよね!」


 うん。そのはず、なんだけど……。


 窓の外は、一面の雪景色。

 滅多に積もらない地域なのに、全国を襲う寒波の影響で昨日から積雪。

 道は凍るわ地下鉄のダイヤは乱れるわ、不要不急の外出禁止の警報発動中。


 リュウの、満面の笑顔。


 ……(´-ω-`)


 行っちゃいましたよ、ポケモンセンター!もう年休とってたし(>_<)


 ポケモンセンターに続くエスカレーター前で固まるリュウ。


 「怖い! 階段がいい!」


 8階まで階段で上る気か?(´-ω-`)


 説明しよう!

 私はエスカレーター恐怖症で、片足出したまま固まってしまうのだが、その特性が何故かリュウにも受け継がれてしまったんだよ!

 体重20キロのリュウを抱えてエスカレーターに乗るのが大変のなんの(T_T)


 不意に、私にしがみつくリュウ。


 「七歳になったから……お母さんにしがみつけば、乗れるかも!」


 おぉっ?(゜゜;)


 二人三脚状態でエスカレーター前に立つ。

 いつものようにしばし固まる私を他所に、自ら一歩踏み出すリュウ! 息子に引っ張られてエスカレーターに乗り込む私。


 「やった! 出来た!!」


 確かにな!

 君、たぶん本気出せば一人で乗れるよ!( ̄▽ ̄)b


 遂にポケモンセンターに到着。

 お目当ては、ポケモンメザスタで使うダイマックスバンド。リュウがCMで見たらしく、よく分からんのだが、ゲームセンターのポケモンの台(メザスタ)で使えるアイテムらしい。

 一通り見ても発見できず。店員さんに尋ねると。


 「取り扱いがありません」


 ……( ̄□ ̄;)!!


 つかつかと店員に近寄るリュウ。どうした?(゜゜;)


 「ありがとうございました!」


 そこ? (^_^;)


 すぐさま切り替え、代わりにラプラスのぬいぐるみを選ぶリュウ。

 もっとグズると思ったけどなぁ。大人になったな~ ( ;∀;)

 

 ちなみに。

 ダイマックスバンドは、来月から発売開始でした……。

 確かに、調べた際「ポケモンメザスタ第2弾で使用! 2月発売開始!」とか書いてあったのですよ。

 そこで私の特性であるOMOIKOMIとKANTIGAIが発動。

 「CMやってるくらいだからもう発売中なんでしょ? メザスタ第2弾が2月から始まるってこと? その前にアイテム売り出しとけば、皆メザスタを心待ちにして2月から盛大に取り組んでくれるだろうって魂胆? よく考えてるわぁ~」

 ……ってことになってたんです(;_;)

 リュウ、アホなお母さんでごめん\(_ _)

 2月、ダイマックスバンド買おうね(^_^;)


 幸い雪もそう酷くならず、無事地下鉄で帰りつく。

 夕飯、何がいい? (*^^*)


 「刺身!お寿司!」


 寿司……(´-ω-`)


 よし、手巻き寿司パーティーだ!


 手頃な刺身をゲットし、海苔をセットし、寿司○郎をご飯に混ぜ混めば完成!

 お安いマグロのたたきも、醤油と胡麻油で美味しく変身!(羽海野チカ氏「三月のライオン」で出てきた技ですね (*´・ω・`)b)

 刺身が食べられないユヅには、カニカマ、キュウリ、卵、ハムを準備。

 と、ユヅ用の具材をパクつく主役。

 

 「もうお腹いっぱい~」


 刺身は!? ( ̄□ ̄;)!!


 

 リュウが産まれたのは、夜だった。あんまり大きな声で泣き続けるものだから、連れは「こんなに泣いて大丈夫でしょうか」と真顔で看護師さんに聞いたらしい。

 いつの間にか、七年も経ったんだな~。


 あの日の今頃、私は帝王切開の術後の痛みで地獄を見ていた。


 あの日の私に、リュウに、伝えたい。

 がんばってくれて、ありがとう。

 おかげで私たち、幸せだよ。


 


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