第3話 娘の寝かせつけ

昔の人は言っていた。


「寝た子を、起こすな」


今の私は言っている。


「寝た子は、親を起こすな」


二歳の娘は、とにかく寝ない。五歳の息子がそれに拍車をかけている。


寝室に行くと、二人で布団にダイブ。海ごっこ開始。


布団に潜ってかくれんぼ開始。


エンドレスなので、以前は強制消灯して泣かれていた。


試行錯誤の末、カウントダウンすると喜んで電気を消せるように。


消灯後、「まくらごっこ!」


転がった娘や息子のお腹を枕にして私が寝そべり、


「間違えた、枕じゃなかった!」


と驚く、謎のコントを繰り返す。


このあたりで、はしゃぎ疲れた娘がお茶を要求。リビングに逆もどり。


寝室で再びゴロゴロ。そこで娘と息子の頭がごっつんこ。もしくは娘と壁がごっつんこ。果ては、何もなくても娘が「あたま痛い!冷やす!」と要求。


キッチンに逆戻りし、保冷剤を娘に渡す。


文字通り頭を冷やしたところで、やっと娘が大人しく寝そべる。


なぜか、私のお腹の上に…。


「重たい、どいて」と訴えても、子泣きじじぃの如くしがみつく。


娘は現在、12キロ。からだに感じるずっしりした重みは、さながら石のよう。


毎晩、漬物の気分を味わう。


このあたりで「オシッコ!」。トイレに逆戻り。


寝室に戻り、再び漬物の刑。


いつしか娘もお腹から降りて動かなくなり、私の意識も朦朧とし始めるが、


ここで第二ラウンド開始。


突然響きわたる娘の「きゃははは!」という笑い声。


何事かと見やるが、寝ている。


再び意識が遠退いたところで、寝返りをうった娘が私にタックル。


再度横になるも、娘が寝惚けて起き出す。「ユヅちゃんのパンー!」と夢で食べ損ねたらしいパンを要求。泣き出すのを宥め…


眠れん。


余談だが、私の寝具は高い。

腰痛持ちな上、背骨が側弯気味で、寝ていると腰や背中が痛むので、奮発して体圧分散の敷布団やらオーダーメイドの枕やら買ったのだ。


しかし、娘や息子がにじり寄り、


気づけば私は布団の端に追いやられ、


枕の上にはこども達の足が乗っている。


ボーナスつぎこんだ寝具も、実力発揮できず(ー_ー;)


先日は、息子が「ねんねのお友達」と、ぬいぐるみを連れてきたのだが、娘も真似て両手いっぱいにぬいぐるみを抱えてやってきた。


その数、総勢9体…。


ぬいぐるみに取り囲まれた布団は、さながら黒ミサ状態。


総勢12名で寝るって、どこで寝ればいいんだ (゜ロ゜;


説得し、4体まで減らしてもらい、事なきを得た。


ちなみに、私が飲み会等で不在の時は連れが寝かせつけるのだが、


娘は「お父さん、ダメ」と泣きながら連れを寝室から追い出し、


勝手に一人で寝ていたらしい…。


自分で寝れるんだ Σ(゜Д゜)


毎晩の私の苦労は一体…?


🍀子育てで見つけた幸せ🍀

乗られず、蹴られず、叩かれず、朝まで熟睡できたら、幸せ✨




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る