第917話 2022/4/18 論法とか

 本日は9時半起き。良い気候なのだがなあ。どうにもこうにも調子が上がらない。うーむ。もう少し力を抜いた方がいいのか。もう随分抜いている気がしないでもないのだが。これ以上力を抜いたらフニャフニャになってしまう。何としたものやら。


 ロジックとは論法、論理、論理学を意味するカタカナ語である。……言い換える必要あるのか、これ。日本語なら2文字か3文字だぞ。何故4文字を使用するような単語への言い換えを好む者がいるのかよくわからん。もっとライトでカジュアルにトゥギャザーするのならそれもありなのかも知れないが、あまり真面目な顔で「そのロジックはおかしい」とか言われると「おまえはおかしくないのか」と言いたくなる。言葉の意味がより厳密になるのなら言い換えも理解できるものの、より曖昧になる言い換えをわざわざ選択する理由は何なのか。

 曖昧だからいいのだ、という見方もあるのだろう。「この場合、用いる言葉は『論理』でいいのか『論法』の方が正しいのか」と迷うよりも、ロジックの一言で済ませてしまえば、あとは相手側が文脈から意図を読み取ってくれる。理解できないのは相手の頭が悪いせいであって、自分の説明力不足ではない、と責任を転嫁するには言葉の意味が曖昧であるに限る。

 まあ人間は誰しも無責任なものである。厳密さを要求されるような単語を使って間違えて恥をかくよりも、曖昧な言葉をあえて使って無難にやり過ごした方が自分の評価を下げないだけマシだ、という判断があっても不思議はない。それは非常に人間的と言えるのだが、ただ人としてあまり尊敬できる話ではない。ロジックに限らず、いや多くのカタカナ語に限らず、明確な言葉を求められる立場や状況であるのに曖昧な言葉でやり過ごそうとする姿勢は、周囲の離反を呼ぶ可能性がある。黙っていた方がマシなことすらあるのだ。

 日本共産党の田村智子政策委員長が毎日新聞に寄稿したのだそうな。内容はロシアのウクライナ侵攻についてのものらしいが、その中でこのように述べているという。

「国連憲章に対する明白な違反だ。民間人の殺害が報道されており、国際人道法に反する戦争犯罪でもある。さらに核兵器で脅した。国連憲章、国際人道法、核の脅しという三重の違反をしている」

「ロシアのプーチン大統領は、核兵器を使う準備があると発言し、核戦争を自ら示唆した。国際法を無視し自国民の犠牲もいとわない国が核兵器を持つと、人類全体を脅威に陥れることが明白になった」

「今回のことで、核抑止の考え方がいかに危険かが示された。核兵器の脅威を取り除くには核兵器廃絶しかない。日本政府は核抑止力は必要だと主張するが、いまやその破綻ははっきりした」

 またいまさら言うまでもない誰にでもわかり切ったことをいちいち書いているのだなあ、と思って読んでいたら最後である。こういうのは牽強付会というのか我田引水と言えばいいのか。この人はいったい何を見ているのだろう。

 確かに核抑止という考え方には問題があるし、核兵器の脅威を取り除くためには核兵器廃絶しかない。それは全世界の誰もが知っていることである。しかし重要なのはそこではない。「どうすれば」核抑止が不要となり核兵器を廃絶できるか、考えるべきはそこなのだ。

 いまウクライナ情勢で我々が目にしているのは、少し前まで理論上のものであった核抑止力というものが実在し、ロシアを西側諸国から防衛している現実である。その現実に立脚し、遠い未来に向かって日本が何を目指すか、ではなく、いま何をどうするのかという段階であるはずだ。遠い未来に核廃絶を目指すのは当たり前である。そうではなくて、日本共産党は「いま、この時点で」何をどうするのか語るべきだろう。ぺーぺーの1年生議員ならまだしも、政策委員長だぞ。政策について語るのは当たり前なのではないか。

 いちいち確認していないので正しいのかどうか知らんが、日本共産党はこれと同様のロジック(論法)で原発廃止も訴えていなかったか。原発の将来的廃止は当たり前である。その方向を目指すことに反対する日本人は少なかろう。で、いまどうするのだ。温室効果ガス削減のために電気自動車を普及させようという声がある中で、将来的に発電量が不足するのは目に見えているのである。現実問題として、「いま何をどうする」のか。

 先般日本共産党の志位委員長は「日本に他国の侵略があれば自衛隊を活用する」とか言っていたが、将来そうなればその対応しかないのは誰でもわかるのだ。で、そのために「いま何をどうする」のか。日本共産党はこんなんばっかりという印象がある。理想論が無意味だと言うつもりは毛頭ない。理想論は現実論と同レベルで重要である。しかし、だからといって理想論だけぶちあげて「ハイ仕事終わり」では何の役にも立たない。その理想を目指すための現実論をセットで提示して初めて理想論は意味を持つのではないか。

 これが市民団体なら理想論だけでも結構なのだろう。だが日本共産党は国政政党ではなかったか。国政与党を目指すつもりがあるのではなかったのか。それはこの国の権力を一手に握る用意があるということである。そんな政党が理想論しか口にできないというのは何とも情けない。何のために国会に議席を持っているのか。最初から期待されていないのだからこれでいい、と開き直っているのならそれを明言してもらいたい。中途半端なロジックでやり過ごせるとか思わないことだ。


 先般ロシアは日本との平和条約締結交渉を中断したが、17日、日本維新の会の鈴木宗男参議院議員は札幌市で行なわれた後援会でこれについて触れ、ロシア側は「現状では」と但し書きを付けているとして、

「まだ(日本に)配慮してくれている面がある」

「(ロシア側のメッセージを)裏表を見ずに斜め読みしていると、どこかでツケが回ってくる」(以上時事通信)

 と述べたらしい。うん、だからこのチャンスに完膚なきまでにロシアを叩き潰すべきなのではないかな。後顧の憂いがないように。まあこの人の頭の中では、日本は平和条約の締結交渉を「していただく」立場なのだろうけれど。


 ウクライナのゼレンスキー大統領は17日、IMF(国際通貨基金)のゲオルギエバ専務理事と電話会談した模様。金融安定確保や戦後復興への準備について話し合った旨をtwitterへ投稿した。

 もちろんこれはゼレンスキー氏による「ロシアの攻撃なんて効いてない」アピールにIMFが利用されたということなのであるが、利用できるものは何でも利用するしたたかさは国家を率いる立場の人間には必要だろう。少なくともゼレンスキー氏はロシアに何かを「していただく」という姿勢は見せていない。本来国政に携わる者はこうあるべきだと考える次第。


 本日はこんなところで。はうー。昨日は何とか1500文字ほど書けたが、おそらく今日はまた止まるだろう。頭がパンパンである。何とか自分の体と折り合いを付けながら前に進むしかない。はあ面倒臭い面倒臭い。

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