第881話 2022/3/13 完璧とか

 本日は11時起き。糖質制限が効いているのだろう、体重はさして落ちないが、目は回る。別に糖質ゼロダイエットを実行している訳ではない。朝食には食パンを食うし、肉を食うときに砂糖のタップリ入った焼き肉のタレを使うことも多々ある。それでも全身が乾いたスポンジになったような感覚。脳までスカスカだ。とは言え、放っておいたら肝硬変まっしぐらだからな。しばらく我慢するしかない。厄介な厄介な。


 完璧のへきかべではない。元は古代中国で祭祀などに用いられたリング状の宝玉である。宝玉と書くといまならダイヤモンドやサファイアやルビーなどを思い起こすかもしれないが、実際の璧は硬玉ヒスイ軟玉ネフライトだったらしい。完璧とは完全な璧、完成された璧、といった意味になる。

 何をもって完全で完成された璧と言うのか基準はわからないが、まあ宝飾品ならシンプルに見た目が美しければ完全なのだろう。「玉に瑕」などという言葉もあるように、基本的に寸法や形が合格なら、あとは目に見える傷がなければOKなのではないか。その辺は比較的わかりやすい。

 しかし世の中、完璧が求められるのは璧だけではない。機械、システム、人間性など。機械はともかく他は極めて抽象的であるが、これらにも完璧を期待するのが人間という生き物らしい。だが言い換えれば、大半の機械もシステムも人間性も完璧ではない。機械は故障するし、システムはエラーを起こす。人間性に至ってはもう何が何やら。普通なら、この世に完璧な機械やシステムや人間性など有り得ないと考えてもおかしくないはずだ。

 だが、そうはならないのだよなあ。人間は自分の不完全さを棚に上げて、故障する機械に腹を立てるし、エラーを起こすシステムに文句を言うし、他人の人間性を非難する。そして「担当者」とされた誰か他人に怒りをぶつけるのだ。まるで自分以外の世の中は完璧であるのが当たり前だと言わんばかりに。何と幼稚で自分勝手な。

 複雑さが増すにつれ、抽象度が上がるにつれ、何事も完璧からはほど遠くなる。トラブルが多発しマトモに動かないケースも増えてくる。しかし、それはより自分に都合の良い機能を求める人々の欲求が招いた事態である。完璧に近い安定性を求めるのなら、俗に言う「枯れた」技術やシステムで満足すべきだし、より自分たちの作業が楽にできる便利さを求めるのなら、不安定さは受け入れねばなるまい。

 昨今では「日本はIT後進国だ!」みたいな煽り記事もよく見かけるが、物事はすべてバランスである。何でもかんでも最先端を目指せば良いという主張は軽薄だし無責任である。もっと地に足をつけて考えた方がみんなのためになるのではと思うところ。

 さて10日のこと。パキスタンに隣国インドからミサイルが撃ち込まれた。過去に何度も戦争をしている仇敵ともいうべき間柄の両国である、まさかウクライナに続いてアジアでも戦争か、と身構えた向きもあったろう。だが幸い人的被害はなく、パキスタン政府はミサイルによる報復攻撃を行なわず、声明によりインドを非難し、インドの臨時代理大使を呼び出し強く抗議した。

 これに対しインド国防軍は11日、定期点検中に「技術的な誤作動」でミサイルを発射してしまったと発表、深い遺憾の意を示した。世間ではインドを疑う声もあるようだが、これはさすがに嘘ではあるまい。何故そう思うかと言えば、このミサイルには弾頭が積まれていなかったからだ。

 もしインドが「故意に誤射」をしたのなら、弾頭は積まれていたはずだし、人もいない施設もない場所に着弾することもなかったろう。もちろんそれは、この先インドが、あるいはパキスタンが、「故意に誤射」をする可能性があるということであり、同時に弾頭を積んだミサイルであっても、本当に誤射してしまう可能性もあるということである。

 この世に完璧な機械はない。ミサイルも含めて。もしかしたらロシアがウクライナに撃ち込んだミサイルの中には、標的を誤って撃ってしまった物もあったのかも知れない。あるいはこの先、核弾頭を積んだミサイルが誤射される可能性もあるかも知れない。しかしそのとき、もう世界はロシアの釈明を聞きはしないだろう。

 また、インドもパキスタンも核保有国である。彼らがもし核兵器を誤射してしまったとき、世界は過剰反応を示すだろう。いまこの世界にはそんな危険な空気が漂っている。我々はいま一度、この世に完璧などないことを心に留めておくべきなのかも知れない。……まあそんなことを言いながら、ロシアが核を本当に使ったら、虫けらも冷静ではいられないだろうけどな。


 イラク北部にあるクルド人自治区の幹部が13日に明らかにしたところによると、自治区の首都アルビルに弾道ミサイル12発が撃ち込まれたらしい。現時点で犯行声明は出ていないが、これが事実ならさすがに誤射ではあるまい。イラクで、クルド人自治区で、しかも弾道ミサイルだからな、ただのテロリストの犯行とは考えられない。

 パッと思いつく限りでも、イラン革命防衛隊か、もしくはトルコ軍。どっちにしてもこの混沌とした世界情勢をより一層カオスにする厄介な話である。勘弁してくれよと思う次第。


 タイのリゾート地では、クレジットカードが使えなくなったために支払いも帰国もできなくなり、立ち往生しているロシア人観光客が多数いるらしい。まあ、これはシステムエラーではないからな。経済制裁についてはプーチン大統領に文句を言ってもらうしかない。


 プライドパレードは日本でも行なわれているが、いまいち大きくは取り上げられない。虫けらも正直言えば、そんなに興味はない。体力も集中力も有限なのだ、何でもかんでも興味を持つのは無理だ。しかし性的少数者の権利拡大や社会への啓蒙を目的としたこのパレードに、物凄い興味を抱いている者がいた。ロシア正教会のトップである。

 ロシア正教会のキリル1世総主教は、現在のウクライナでの戦争の原因の1つがプライドパレードにあると主張しているそうだ。

「(ウクライナ東部の)ドンバス地域での紛争は世界の大国と名乗る関係国が差し出す価値観といわれるものに対する根本的な拒否に根差している」

「どちらの立場にくみするかのテストはあなたの国がプライドパレードの催しを受け入れるかどうかになる」

「国際的な関係の領域で現在起きていることは政治的な意味合いを帯びているだけではない」

「政治とは違ったはるかに重要な人間の魂の救済の問題である」

「神の教えに背けば神聖さと罪の境界線をあいまいにしながら教えの尊さを損ね、さらに罪を人間の振る舞いの一つの例や見本ともなり得るとして助長する人々は決して許されるものではない」(以上CNN)

 自己保身のためのポジショントークとも取れるが、マトモな精神状態ではないのかも知れないと思えなくもない。総主教はプーチン大統領と親しいそうだから、類は友を呼ぶのか。


 本日はこんなところで。昨日は何とか2000文字超書けた。おかげで今朝は起きられなかった訳だが。明日くらいに買い物に行きたい、と言うか行かないと冷蔵庫が空っぽになるのだが、さてどうしたものやら。とりあえず今日も頑張ろう。

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