第880話 2022/3/12 真似とか

 本日は4時起き。もはや全然寒くない。春がやって来たのか。まだ夜中は暖房を入れているんだが、もう明日くらいから必要ない日が出てくる模様。毎日最低気温を確認しなきゃならないのは面倒だが、ようやくやって来た春だ。しばしの間はノンビリしたい。まあ、そんなことを言ってるとすぐ夏がやって来る訳だが。


 最近ではトレパク問題で漫画家が叩かれることがよくある。他人の創った構図やポーズ、服装などをほとんどそのままトレースして自分の作品で使ってしまうのだ。これは浅ましく、卑しいさもしい行為として糾弾を受ける。

 ただ、トレースすること自体を否定するべきではない。作品の中に出すべきではないだけで、他人の作品をトレースして実際に描いてみるという行為は漫画家の引き出しを増やす立派な勉強であり努力だ。魅力的な構図もポーズも、頭さえ捻れば出て来るというほど簡単なものではない。

 これは文章だってまったく同じで、印象的な言葉使い、言い回しなどは他人の作品から拾って来る場合は多々ある。それを何度も何度も使ってみて、気に入った形で使えるようになれば自分の作品に落とし込むのだ。これをなくして進歩などない。あらゆる表現は模倣から始まる。なのに模倣することの意味や価値を知らない人が増えてしまうのは厄介で面倒臭いことだ。表現者による啓蒙活動も必要なのではないか。

 さて、連日血生臭い戦闘の続くウクライナであるが、現在消耗戦の様相を呈している。こうなるとウクライナが圧倒的に不利となる。何故なら兵隊の人数でも兵器の数でもロシア側が圧倒的に多いからだ。たとえば平均でウクライナ兵1人がロシア兵を2人倒したとしても、ロシア側が3倍の兵力を投入すれば、ウクライナはいずれ負ける。無論、消耗率ではロシア軍の方が酷い有様となり、より被害が甚大になる訳だが、最終的に生き残るのはロシア兵士である。非常にシンプルで古典的な勝利と言えよう。

 そこで先月27日、ウクライナのゼレンスキー大統領は世界に対し、「義勇兵」の参加を呼びかけた。これは実質ボランティア兵士である。給料は出ない。武器弾薬も自分で用意して来ないといけないし、何の保証もない。しかしこの募集に各国から2万人が集まったという。日本からも70人が応募している。

 もちろん、これも戦時プロパガンダの一種であり、この情報を真に受けてはいけない。人数はもっと少ない可能性があるし、そもそも本当に義憤に駆られた一個人が自費でウクライナに旅立ったケースがどれだけあるか、かなり怪しい。おそらく義勇兵のかなりの部分は各国の軍隊経験者、それも特殊部隊に在籍した者が少なからずいるのではないか。下手をしたら義勇兵に参加する直前に何故か特殊部隊を「クビ」になり、その足でウクライナに向かった者もいるかも知れない。

 いまウクライナのゼレンスキー大統領の周囲はアメリカのCIA、イギリスのMI6やSAS(陸軍特殊空挺部隊)が固めているらしいし、その関係者が義勇兵という形で参加していても何の不思議もない。つまり義勇兵という形式を取った、事実上のNATO軍と言える。その事実は公表されないだろうが。

 さて、この義勇兵が頭に来たのか、もしかしたらちょっと羨ましかったのかも知れない、今月上旬よりロシア側はシリアにおいて市街戦経験豊富な人材を「警備員」として200~300ドル(2~3万円程度)――これが前金なのか全額なのか、日給なのか月給なのか、ドル払いなのかルーブル払いなのかは不明――の報酬で募集を始めたという。

 ただこれには嫌な話があって(上の話自体も相当嫌な話なのだが)イスラム諸国のいわゆるジハード組織の中で、ウクライナを舞台にロシアと戦ってやろうという過激派メンバーが人を集めているらしい。この連中がウクライナに乗り込むと、おそらくとんでもないカオスが形成されるに違いない。できれば遠慮してもらいたいところなのだが。

 さて、ロシアのショイグ国防省は11日、国家安全保障会議において、「志願兵」としてウクライナの戦場に向かうことを希望する者が、1万6000人に上ると述べた。

「(ウクライナ東部の分離独立派を支援する)志願兵がいるとしたら、途中で合流して戦闘地帯に移動するのを手助けする必要がある」(AFP)

「大半が中東からで、過激派組織『イスラム国』(IS)と戦った兵士も多い」(朝日新聞)

 らしいのだが、あれ、警備員じゃなかったっけ?

 これに対してプーチン大統領は、

「金銭目的でなく、ボランティアなら、彼らが戦闘地域に行くのを助けなければならない」(朝日新聞)

 と答えたのだそうな。200~300ドルはどうした。踏み倒す気なのか。

 まあこの戦争でロシア兵の死者は、ウクライナの発表では1万数千人、アメリカの試算でも最小2000人から最大6000人ほどの数字が出ている。徴兵したばかりの新兵も多いようだし、とにかく「最前線に送り込んでもロシア国内から反発の起こらない、かつ戦争慣れした兵士」が喉から手が出るほど欲しいのが現状であろう。

 本来圧倒的大軍でウクライナを取り囲んでいた侵略側の軍隊が、人手不足になるなどおかしな話なのだが、実際足りないのだから仕方ない。ウクライナの義勇兵の真似だとかパクリだとか言われても知ったことではないのだろう。もはや恥も外聞も、体面も体裁もない。残っているのは意地と怨念だけである。ストーカーに近いな。


 三重県伊勢市と言えば当然、伊勢神宮で有名であるが、そこに在住の64歳の女性が、2017年12月に志摩市の土産物店から売上金を盗んだ疑いで三重県警の取り調べを受けた。この際、担当の男性巡査部長が、

「泥棒に黙秘権があるか」(共同通信)

 などと発言し、自白を強要したらしい。女性は結局19年の12月に不起訴処分となり、違法な取り調べで精神的な苦痛を受けたとして、県に約120万円の賠償を求めて津地裁に提訴した。

 この裁判の判決が10日に下され、

「黙秘権を侵害し、人格を繰り返し否定した。社会通念上相当な限度を明らかに超えた」(共同通信)

 との判断で、三重県に70万円の慰謝料支払いを命じた。

 いつまでもなくならんねえ、この手の事件は。日本の法律は犯罪者に優しすぎるという指摘はあるのだが、だからといって無実の人間を犯罪者に仕立て上げて良いはずはない。警察の捜査の透明化と適正化を進めなければ、今回のこの事件でも真犯人には逃げられてしまっている訳だ。何の意味もないことを現場は理解すべきだろう。


 虫けらは大阪府民だが、今年の元日に放送された毎日放送のテレビ番組に橋下徹元大阪府知事、吉村洋文大阪府知事、松井一郎大阪市長が3人揃って出ていたことをまったく知らなかった。どうやらこの番組に対し、「政治的公平性を欠く」とクレームが殺到したらしく、11日に毎日放送が社内調査の概要を公表した。

「番組の多角的な精査や組織的な検討が圧倒的に不足」

「社内には政治的公平性について認識がなかったわけではないが、制作、編成の現場にまで正しく浸透していなかった」(以上産経新聞)

「政治的公平性に対する認識が甘く、番組内でのバランスの取り方が極めて不十分だった」(時事通信)

 などなど。

 関西人ならご記憶の方もおられるだろうが、毎日放送でアナウンサーをしていた平松邦夫氏が大阪市長を務めていた頃、橋下氏が大阪府知事だった。このときの毎日放送は徹底して大阪市を擁護し、大阪府を一方的に攻撃する内容の報道を繰り返していた。当時から滅多にテレビを見ない虫けらであったが、たまに見ると気持ち悪いなと思っていたものだ。しかしその頃には政治的公平性で問題になったことなどなかったはずである。本質的に何が違うというのか。

 まあ毎日放送が視聴率欲しさに、維新に対して手のひらを返したことは浅ましいと思うものの、この局に政治的公平性が欠落しているのは、ずーっと以前からだ。今になって何を言っているのだろうか。クレームを入れた「視聴者」に違和感を覚えないでもないところ。


 本日はこんなところで。昨日は300文字くらいしか書けていない。ダメだ。全然ダメだ。何とかしないとなあ。やれやれ。

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